『バブル』でキャンプを実施、選手登録ルール変更を要請
アメリカ代表のマネージングディレクターを務めるジェリー・コランジェロが『ESPN』の取材に応じ、『チームUSA』は東京オリンピックへの準備として、ラスベガスに『バブル』を用意し、7月4日の週からトレーニングキャンプを開始する予定であることを明かした。ただコランジェロによれば、計画はあくまで仮のもので、この後の状況によって柔軟に変えていくとのこと。
『バブル』とは新型コロナウイルス感染防止のための隔離エリアのこと。『泡』の中にウイルスを持ち込ませない、という意味で名付けられた。NBAの昨シーズンはオーランドのディズニーリゾートに『バブル』を設け、ここに22チームを集めて後半戦を行い、NBAファイナルまでを感染者を出すことなくやりきっている。
NBAの2020-21シーズンは、5月22日から7月22日までの期間でプレーオフを行う予定。進行次第ではあるが、カンファレンスファイナルに進む4チーム、あるいはその一つ前のカンファレンスセミファイナル進出8チームの選手はキャンプに参加できないと見るべきだろう。ただ、それがオリンピック不参加に直結するわけではない。コランジェロはメンバー登録の最終期限を遅らせ、オリンピックが始まった後も選手を追加できるようなルール変更を関係各所に掛け合っている。
「今は通常の時期とは違う。最高の選手をオリンピックのコートに立たせるための柔軟な対応を求めている。もちろん、それは我々だけでなく、全チームに適用されるものだ」とコランジェロは言う。
この働き掛けは、レブロン・ジェームズやステフィン・カリーを始めとする、オリンピック出場を願いながらシーズンを戦うNBAプレーヤーを安心させるものだろう。様々な課題はあるにせよ、NBAトッププレーヤーの参加を国際オリンピック委員会もFIBAも願っているはずだ。
また、ラスベガスの『バブル』にはオーストラリア代表とスペイン代表も参加する計画だ。トップシードの両チームにはNBAプレーヤーが多い。この計画が実現すれば、スペイン代表のマルク・ガソルやリッキー・ルビオ、オーストラリア代表のベン・シモンズやジョー・イングルスといった選手たちは、NBAのシーズンが終わり次第すぐに代表チームに合流できる。
東京オリンピックが開催されるかどうか、どのような大会運営になるかは見えない部分がいまだ多い。だが、開催の可能性がある以上は最善の準備を整えるのがプロフェッショナルの仕事だ。そういう意味で、コランジェロは職務を見事に全うしている。