写真=Getty Images

「皆、この試合の一部になれることを喜んでいるはず」

今シーズンのキャバリアーズは、開幕前にカイリー・アービングをセルティックスに放出し、その見返りとしてアイザイア・トーマス、ジェイ・クロウダーという実力者を獲得した。しかし、すでにトーマスも、クロウダーもチームにはいない。さらに言えばデリック・ローズもドウェイン・ウェイドもいない。

シーズンを通して数回に渡り補強と解体を繰り返しながらも東カンファレンス4位でプレーオフに進出できたのは、レブロン・ジェームズが身を粉にする『キャリア初の年間82試合出場』を達成し、1つずつ勝ちを積み重ねてきたからだ。

レブロンは、チームが上手く機能しなくても言い訳にすることなく、メディアの前では常にポジティブな発言を心掛け、チームメートの奮起を促してきた。そして、ペイサーズとのプレーオフ1回戦の勝者を決める第7戦を迎えるにあたり、次のように語る。

「自分が思うに『Game7』はスポーツにおいて最高の言葉だ」

敵地での第6戦で大敗を喫した後の会見でこう語ったレブロンは、第7戦が持つ意味についても自論を展開した。「ホームでの第7戦は、ファンの皆にとっても興奮することだろう。皆は、試合の一部になれることを喜んでいるはずだ。チームの皆にも、これだけの試合の一部になれることに興奮し、楽しんでもらいたい」

最初のキャブズ時代、ウェイドとクリス・ボッシュとの『スリー・キングス』を結成したヒート時代、そしてキャブズに復帰した2014年からのキャリアでも、レブロンは幾度となくプレーオフでの第7戦に挑んできた。すべてを懸けて戦う機会は、誰もが経験できることではない。それゆえに誇りを持っているレブロンは「第7戦は何度も経験してきた。この状況は、引退した後でまた経験してみたいと思うものだと思う」と語る。

一つだけ大きく違うのは、これがNBAファイナルでも、カンファレンス決勝でもないということ。ペイサーズとの第7戦を制したところで、キャブズが勝者として称えられるわけではなく、『辛うじて生き残った』という表現されるだろう。ペイサーズという強敵を越えたところで、その先にはリベンジに燃えるラプターズが待ち構えている。

それでも『Game7』が特別であることに変わりはない。レブロンは再び特別な試合に挑む。