写真=Getty Images
何かを指示するのではなく、選手の考えに耳を傾ける
『マイケル・ジョーダンのチームでプレーする』と聞くと、どういう印象を持つだろうか? 現役時代のジョーダンは他を圧倒する競争心、闘争心の持ち主だっただけに、常に勝利への重圧を感じながらプレーすると思うだろう。
そのジョーダンは2010年にNBA球団の筆頭オーナーになった。当時ボブキャッツという名前だったチームは、2014年からホーネッツという名称に変わり、『神様』がオーナーになってからの7年でプレーオフに3回進出した。
今シーズンは開幕からパフォーマンスが安定せず、直近8試合で7敗を喫して9勝16敗と黒星が大きく先行している。99-110で敗れた12月9日のレイカーズ戦を終えてオーナーの号令で選手ミーティングが開かれ、そこにジョーダンも同席した。マービン・ウィリアムズがこの様子を『Charlotte Observer』に語っている。
「オーナーは、俺たちの考えを聞いてくれた。自分たちがどうなりたいのか、という話にも耳を傾けてくれた。その上で、試合を見て思う部分を教えてくれた。そして今後チームに何を期待するのかも話してくれた」と、ウィリアムズ。
ジョーダンが同席するミーティングと聞くと、選手たちが一言も言葉を発せられないほど空気が張りつめている印象を持ってしまうが、ウィリアムズは「彼の下でプレーできるのは自分たちのためになる」と言う。
「オーナーは、NBAのシーズンの苦労や、連敗中や連勝中の大変さを知っている。コーチにはコーチの仕事をさせてくれるし、選手にはプレーにだけ集中させてくれる。今日のミーティングでは、彼がこれまでの試合で気づいたことを伝えてくれたんだ」
ホーネッツは、ヘッドコーチのスティーブ・クリフォードが健康上の問題により無期限で休養となってしまったため、チームを一つにまとめるのは簡単ではない。とはいえ、プレーオフ戦線に踏みとどまるためには、早急な立て直しが必要。オーナーの金言が浮上のきっかけになることを期待したい。