写真=Getty Images
2016-17シーズン成績 : 51勝31敗 東2位/NBAファイナル敗退
FG成功率 47.0%(リーグ5位)
3ポイントシュート成功率 38.4%(リーグ2位)
平均得点110.3(リーグ4位)
平均失点107.2(リーグ20位)

個性派軍団が『ミッション・インポッシブル』に挑む

昨シーズンのレギュラーシーズンには東カンファレンス1位の座をセルティックスに譲ったキャバリアーズだが、プレーオフではペイサーズとラプターズをスウィープし、東カンファレンス決勝ではセルティックスを4勝1敗で危なげなく下した。だが、問題はここから。3年連続同一カードとなったファイナルでは、ケビン・デュラントが加わり破壊力を増したウォリアーズに太刀打ちできず、1勝4敗で敗退。文字通りの完敗を喫した。

今オフには騒動も起こった。『ビッグ3』の一角を担ったカイリー・アービングが、レブロン・ジェームズからの独り立ちを望み、チームにトレードを直訴。紆余曲折を経てセルティックスとのトレードが実現し、NBAトップスター選手の一人であるアービングがチームを去った。

それでも、ここからのキャブズは巧みな編成を行ったと言える。セルティックスからはアイザイア・トーマスとジェイ・クラウダー、アンテ・ジジッチの3人を獲得。さらにはデリック・ローズとドウェイン・ウェイドという経験豊富な2人も加え、超豪華布陣が完成した。

ヘッドコーチのタロン・ルーは、プレシーズンゲームからケビン・ラブをセンター起用しスモール・ラインナップを採用するなど、充実した戦力をどう活用するかを模索している。アービングを失ったのは痛手だが、昨シーズンのチームの延長線上でウォリアーズに勝つ見込みがない以上は変革が必要。『数年前のトッププレーヤー』であるローズとウェイドが優勝を狙える環境に刺激を受けてフル回転し、ケガのトーマスが復帰し、そしてこの個性豊かな選手たちがレブロンを中心に噛み合えば、打倒ウォリアーズという困難な課題をクリアすることも可能なはずだ。

トレーニングキャンプ中に足首を痛めたレブロン・ジェームズが開幕戦に出場できるかは気がかりだが、エース抜きで最初に戦うことになっても、それは『レブロン依存』から脱却するための良いきっかけになる。

オフには東から西に多数のスター選手が移籍した。ライバルのセルティックスにアービングが加わったとはいえ、東カンファレンスにおけるキャブズの優位は動かない。敵は東ではなく、西にいる──。遠く先に見えるファイナルに視線を据え、油断することなくチームのレベルアップを続けられるかどうか。レブロンだけでなく、全選手のリーダーシップとプロフェッショナル精神が問われるシーズンが始まる。