轟琉維

「後半はディフェンスから走る自分たちの流れに持っていけた」

1月31日、佐賀バルーナーズはホームで千葉ジェッツと対戦。最大19点のビハインドを背負う中、セカンドユニットの激しいプレッシャーディフェンスで流れを引き寄せ、83-79と見事な逆転勝利を収めた。

出だしから両チームともに集中力の高いディフェンスを見せ、試合はロースコアの立ち上がりに。だが、渡邊雄太の2本を筆頭に前半で3ポイントシュートを15本中7本成功させた千葉Jに対し、佐賀はオープンでもことごとく外し20本中2本の成功のみ。長距離砲の精度の差がそのままスコアに現れ、千葉Jが前半で16点のリードを奪った。さらに千葉Jは後半最初のポゼッションで、ターンオーバー奪取から金近廉が3ポイントシュートを沈め、この試合最大となる19点差をつけた。

しかし、佐賀もここから長距離砲に当たりがくることで盛り返していく。さらにレイナルド・ガルシア、轟琉維、井上諒汰、富山仁貴らセカンドユニットによるアグレッシブなディフェンスで千葉Jのリズムを崩すと、ハーフコート付近でのスティールで2度のアンスポーツマン・ライク・ファウルを誘うなど流れを一変させた。

7点ビハインドまで縮めて第4クォーターに突入した佐賀は、引き続きセカンドユニットが躍動。ガルシアに加え、轟、富山も要所でシュートを沈めて逆転し、残り5分で逆に7点のリードを奪った。その後もルーズボールの競り合いなどプレー強度で千葉Jを上回ることでリードを維持し、第4クォーターを30-19と圧倒した佐賀が難敵相手に大きな勝利を挙げた。

特別指定選手として東海大から加入している轟は3ポイントシュートに加え、切れ味鋭いレイアップを沈めるなど、17分23秒のプレータイムで10得点2アシストを記録。セカンドユニットを牽引して逆転勝利をもたらす立役者となった。

轟はこのように試合を振り返る。「前半はなかなか思うような展開にならなかったですが、後半にディフェンスから走る自分たちの流れに持っていけたのが良かったと思います。前半はペイントタッチが少なくタフショットが多くなってしまったことでリズムが崩れていました。後半はしっかりとペイントアタックしてからパスを出し、グッドシュートではなくグレートシュートを打とうと話し合っていたことができました」

轟琉維

宮永HC「僕の想像を超えました」

轟は昨シーズンに特別指定でアルバルク東京に加入したが、出番はほとんどなかった。しかし、佐賀では加入直後から2番手ポイントガードとしてローテーション入りし、1試合15分以上のプレータイムを獲得。そして、即戦力としてチャンピオンシップ出場を射程圏内にとらえるチームの快進撃を助けている。

佐賀の宮永雄太ヘッドコーチは、轟の活躍ぶりに「僕の想像を超えました」と脱帽する。「今日のように活躍してくれるのが当たり前で、自分の認識が甘かったです。彼にはもっと伸び伸びとプレーし、クリエイトしてほしいです」

ここまでの自身のプレーについて、轟は「自分が思っていたよりもプレータイムをもらえています。出場時間が多いからこそチームに慣れることができているのと、佐賀のバスケットスタイルが自分にすごく合っているので気持ち良くプレーできています」と手応えを語る。

また、東海大ではメインガードとして大きな責任を背負っているが、佐賀では「失敗していいからという訳ではないですが、本当にどんどんチャレンジして自分の持ち味を発揮させたいと思っています」と、先輩たちの後についていく意識でプレッシャーなくプレーできているのも良い効果をもたらしている。

轟は千葉Jのエース富樫勇樹とマッチアップする機会も多かった。『Bリーグの顔』との対戦にも「試合前からすごくワクワクしていました」と語り、しっかりと結果を残せたことに「ドライブや3ポイントシュートを決めることができて、すごく自信に繋がりました。『意外とできた』って感じです(笑)」と緊張することなく楽しめるメンタルの強さを見せる。

そして佐賀出身の轟は、このように地元愛を強調する。「佐賀でプレーするのはミニバス以来で、これまで地元でプレーすることはなかなかなかったです。すごく良い経験ですし、地元に恩返しへの気持ちでやっています」

今日の勝利は、佐賀がチャンピオンシップ出場を狙える力を持っていることをあらためて証明した。そしてチーム史上最高のペースで勝利を積み上げている今の佐賀で、特別指定の轟は大きな戦力となっている。