東山のキーマン佐藤凪への徹底したマークが機能

ウインターカップの男子決勝は、攻守にチーム一丸のパフォーマンスを見せた福岡大学附属大濠が東山を圧倒し、97-71で勝利を収めた。これで大濠はウインターカップ4度目の優勝、さらに昨年に続いての大会連覇を果たした。

東山は最初のオフェンスで中村颯斗がアグレッシブなアタックからジャンプシュートを決め、ウェトゥ・ブワシャ・エノックの高さを使ってチャンスを作る。だが、肝心の佐藤凪は大濠の徹底マークを受けた。榎木璃旺に、櫻井照大に常にべったりと貼り付かれ、執拗なディナイでボールを持つのも一苦労。エノックとのピック&ロールを試みれば、エノックを捨ててでも凪を抑えにかかり、ドライブを試みればディフェンスが2人、3人と集まってきた。

ピックを使いつつ凪が起点となって得点もアシストもするスタイルが封じられ、東山は外からのシュートで得点を繋ぐ。凪の3本を含めて前半で6本の3ポイントシュートを決めたのだが、大濠はそれ以上のペースで点を取っていく。東山がタフショットをねじ込んでいるのに対し、大濠はワイドオープンのチャンスを作ってチームで3ポイントシュートを決めていく。大濠も前半で6本の3ポイントシュート成功、すべて異なる選手によるもので、バランスアタックの良さが光った。

大濠は3ポイントシュートだけでなく、インサイドアタックも本田蕗以と白谷柱誠ジャックを中心に果敢に攻めて、効率良く得点を伸ばしていく。前半で55-37と大濠が大量リードを奪った。

後半も大濠のペース。凪のピックに対してジャックやサントス・マノエルハジメがショウディフェンスで対応し、そのまま3ポイントシュートのチェックに行くディフェンスが効果を発揮する。これに対して東山は佐藤久遠がボールを運んだりと変化を付けるが、タフな3ポイントシュートを決めても大濠にきっちり取り返され、点差が詰まらない。

76-56で迎えた最終クォーター、凪にはもう足が残っておらず、東山には押し返す力がなかった。その一方でタイムシェアを徹底する大濠は最後まで運動量も強度も落ちない。大差が付いた終盤でもディフェンスの執拗さ、リバウンドへの積極性は試合序盤と変わらなかった。

榎木は凪のマークに加えてオフェンスでも6本の3ポイントシュートを決めて22得点を記録。他にもジャック、本田、サントス、村上が2桁得点を記録するバランスの良さが光った。