3ポイントシュート成功率が急落、守備でも踏ん張れず
3月27日、キャバリアーズは西地区2位のスパーズを相手に74-103と大敗した。ジャズに次ぐリーグ2位のディフェンス力を誇るスパーズの前に、平均110点のオフェンスは74点に封じ込まれ、3ポイントシュートの成功率はわずか15.4%と散々な内容。この結果、長らく守り続けてきた東カンファレンス首位の座をセルティックスに明け渡した。
昨年のNBA覇者キャバリアーズは、JR・スミスが3月9日に、ケビン・ラブが3月16日にそれぞれ復帰を果たし、ようやくフルメンバーが揃っていた。また、唯一の不安材料とされてきたカイリー・アービングのバックアップを務めるポイントガードの不在についても、マーベリックスからデロン・ウィリアムスを獲得し、連覇への準備は万端だったはず。
ところが、明るい材料とは裏腹にキャバリアーズは3月に入ってから6勝9敗と失速。王者に何が起きているのか──。
3月3日のホークス戦で3ポイントシュート25本成功という記録を打ち立てたキャブズだが、今回のスパーズ戦を筆頭に、3ポイントシュートの成功率が上がらない試合で敗れるケースが多い。昨年の3ポイントシュート成功率が40%、キャリアでも37.3%と高確率のスミスだが、ケガから復帰後は27.3%と低調。『ビッグ3』の一角を担うラブも平均13.5得点と本調子には程遠い。
勝負どころで踏ん張れないディフェンスも大きな課題だ。25日にウィザーズ相手に競り負けた後、ヘッドコーチのタロン・ルーは止まらない失点について「改善する術はあるが、プレーオフに向けて手の内を見せない必要がある」と強がった。
だが、こうなると悠長なことは言っていられない。3位のウィザーズと2ゲーム、4位のラプターズと3ゲーム差という状況にまで追い込まれている。そのうえ残り9試合の中でセルティックスとラプターズとは直接対決を控えているだけに、4位まで転落する可能性がある。
シーズン中盤まで、ケビン・デュラントが加入したウォリアーズと王者キャブズが3年連続でファイナルを争うのが『既定路線』と見られてきたが、シーズン終盤に来て東カンファレンスの勢力図は変わりつつある。
この先、もっと追い詰められた際には、大黒柱のレブロン・ジェームズ、アービングの底力で成績は上向くかもしれない。だが、彼らの調子によって勝敗が左右される状況そのものがチームが抱える課題とも言える。シーズン終盤、王者は苦しい局面に立たされた。