「アイザイア・ハーテンシュタインと僕は、チームにフィットできる能力の高い選手だ」
今オフを代表するトレードの1つと言えるのが、アレックス・カルーソのブルズからサンダーへの移籍だ。
30歳のカルーソは2017年にドラフト外でレイカーズに入団し、密着マークに定評があるハードワーカーとして出場機会を徐々に増やしていった。そして2020年のプレーオフでは21試合出場、平均24.3分出場と主力の一員としてNBA制覇に貢献した。
2021年には4年3700万ドル(約54億円)と念願の大型契約でブルズに加入。持ち前のディフェンス力に磨きをかけ、一昨年はオールディフェンスファーストチーム、昨シーズンはセカンドチームに選出されるなど、今やリーグ屈指のエースキラーの地位を確固たるものにしている。新天地となるサンダーでは、シェイ・ギルジャス・アレクサンダー、チェット・ホルムグレンなど卓越したオフェンス力を持つ中心選手たちを支える『守備の要』として大きな期待を寄せられている。
母校であるテキサス農工大をカバーするウェブメディア『TexAgs.com』の取材に対し、カルーソは自身のステップアップについて「レブロン・ジェームズの愛が僕に自信を与えてくれた」とレイカーズ時代の同僚であるレジェンドに感謝している。
「あんなに聡明でスキルがあり、NBAの顔かつ史上最高の選手と言われる彼から愛されたことは大きな意味がある。自分がやっていることが正しいと信じるために自信を与えてもらった。僕が望んでいたのは試合の最後にコートに立ち、勝利をつかむチャンスを得ることだった」
ディフェンスが課題と言われていたサンダーだが、今オフにはカルーソに加え、元ニックスのビッグマンであるアイザイア・ハーテンシュタインを獲得。新シーズンにおけるファイナル進出の有力候補に推す声も少なくない。
カルーソも、新シーズンにおけるサンダーのさらなる躍進に自信を見せている。「昨年のサンダーの成功が、(チームの強さを)物語っていると思う。タレントが揃うウェスタンカンファレンスで、レギュラーシーズン1位になるのは大変なことだ。そしてアイザイア・ハーテンシュタインと僕は、チームにフィットでできる能力の高い選手だ」
レイカーズで優勝した時のカルーソは、見事なプレーを披露したがあくまで脇役の1人だった。しかし、今回はサンダーで不動の先発としての役割が予想されている。キャリア初となる優勝候補での主力待遇で、彼が期待通りのパフォーマンスを見せられるかはサンダーの命運にも大きな影響を与えるはずだ。