「いつだって自信を持ってプレーする仲間に託せる」
ロサンゼルス対決はレイカーズの鮮やかな逆転勝利に終わった。レイカーズは第4クォーター開始時点で19点のビハインドを背負っていたが、レブロン・ジェームズがラスト12分間で19得点を挙げるモンスターパフォーマンスで試合をひっくり返し、試合終了のブザーとともに彼は両腕を突き上げて喜びを表現した。
クリッパーズはポール・ジョージとイビチャ・ズバッツの先発2人が欠場。それでも代役のアミア・コフィーとダニエル・タイスが攻守に力強いプレーを見せてレイカーズを勢いで上回る。一方のレイカーズはその力強さに押し負け、第2クォーターになるとジェームズ・ハーデン、テレンス・マンを止められなくなった。
後半にディフェンスの強度を上げて立て直しを試み、八村塁が相手のパスをカットし、前へとタップしてオースティン・リーブスの速攻に繋ぎ、続いてリーブスがハーデンからボールを奪ってのワンマン速攻、カワイ・レナードのシュートをアンソニー・デイビスが背後からブロックするなど良いプレーが続くが、クリッパーズはここで無理な打開を図らずボールをシェアするチームオフェンスでレイカーズのディフェンスを上回り、主導権を明け渡さなかった。
第3クォーターのラスト4分をベンチで休んだレブロンが、第4クォーター開始からコートに戻る。ここからレブロンはエンジン全開。普段はオフェンスの組み立てもフィニッシュもチームメートと分担し、自分の負担を減らすとともにチームプレーを優先するが、ここでは完全に彼がチームを掌握した。「大差を付けられていて、アグレッシブに攻めてシュートを決める必要があった」とレブロンは言う。
プレーメークしながらチャンスがあればシュートを狙っていくレブロンに対し、クリッパーズはハーデンやノーマン・パウエルをマークに付けていた。3ポイントシュートが当たり続けるはずはないと考え、ドライブに来た際にペイントエリアで止める構えだったが、レブロンは守備が得意とは言えないハーデンやパウエル、また外に引っ張りだせば機動力不足のタイスを相手に、3ポイントシュートを高確率で決めていった。
Rui corner three puts the Lakers up 3, cutting a 21-point deficit on ESPN! pic.twitter.com/SbIXV9BBC0
— NBA (@NBA) February 29, 2024
八村は第4クォーター残り5分でコートに戻り、その直後にレブロンが3ポイントシュートを沈め、さらにデイビスのフリースローで同点に追い付く。ここからレブロンは得点からアシストへとプレーを切り替え、ドライブから左コーナーでオープンになった八村の3ポイントシュートをアシスト。八村がこれを決めてレイカーズがリードを奪った。さらに八村は、レブロン、ディアンジェロ・ラッセルと繋いだパスを左コーナーで受けると、今度はドライブを仕掛けてカワイをかわし、ヘルプにきたパウエルのブロックをかいくぐってシュートを決めた。
レブロンの勢いに押され、クリッパーズは第3クォーターまでの落ち着きが嘘のようにミスを連発する。ハーデンがイージーなパスミスを連発し、プレーメークをカワイに託そうとするもレブロンがカワイをマークして自由を与えない。最後にカワイの連続得点が生まれたものの、レイカーズが116-112で勝ちきった。
試合後の会見で、レブロンは「チームメートが上手くスイッチを引き出し、チャンスをお膳立てしてくれた。それで僕はゲームを支配しようとし、『ゾーン』に入った」とチームメートのサポートに感謝し、その働きを称えた。
「チームメートたちはどんな試合展開であれ正しいプレーを選択できる。僕がダブルチームを受けたら、例えばディロ(ラッセル)はすぐサポートしてくれる。今日は僕がダブルチームを受けた時、塁がコーナーにポジションを取って3ポイントシュートを決めてくれた。塁はベースラインを突破しての得点も決めてくれた。これは僕たちにとってビッグプレーだった。いつだって自信を持ってプレーする仲間に託すことができる。これは素晴らしいことだよ」
レブロンは34得点6リバウンド8アシストの活躍。八村は17得点を挙げて勝利に貢献した。