「自分自身の人生をあらためる機会になればいい」
ドレイモンド・グリーンは現地12月12日のサンズ戦で、ポジション争いからユニフォームをつかんだユスフ・ヌルキッチを振り向きざまに殴打して退場処分を受けた。グリーンの退場は今シーズンすでに3度目で、前回はティンバーウルブズのルディ・ゴベアの首を背後から絞めて引きずり回した。リーグからは無期限の出場停止が科され、直近10試合を欠場している。
この出場停止は『リーグとチームの一定の条件』を満たすことで解除される。そのためグリーンはカウンセリングを受けるとともに、ウォリアーズ、リーグと選手会の関係者、自分のエージェントとのミーティングを繰り返している。『ESPN』は、グリーンが近日中にチームに合流し、復帰に向けたトレーニングを始めるという関係者の証言を報じた。
ウォリアーズを率いるスティーブ・カーは、グリーンとはしばらく会話していないもののテキストメッセージでやり取りをしていると明かし、「我々は彼のために譲歩し、彼は我々のために譲歩してきた」と語る。
「私にとって、今回のことはバスケとは関係なくドレイモンドという人物を救うためのものだ。彼がバスケから一歩離れて自分自身の人生をあらためる機会になればいい。彼とは10年来の付き合いで、彼が持つチームへの忠誠心、バスケへの情熱、チームメートや家族への愛情を私は愛している。しかし、ルディの首を絞めたのもユスフを殴ったのも、昨シーズンにジョーダン・プールを殴ったのも同じドレイモンドだ。それ以前にもボールを相手に投げつけたり、審判に怒鳴ったりといろいろあった。彼は変わらなければならない。無期限の出場停止はその機会を彼に与えるためのものだ」
グリーン不在の10試合は6勝4敗と勝ち越しているが、いまだチームは16勝17敗と勝率5割に乗っていない。グリーン不在の穴は3年目のジョナサン・クミンガよく埋めているが、ウォリアーズが本来あるべき優勝争いをするチームへとステップアップするには、グリーンのディフェンスと統率力が必要なのは間違いない。
ただ、バスケの面での有用性に目が向きすぎて「今度は反省しただろう」と楽観的な見方だけで問題を水に流してきたことで、グリーンは何度も愚行を繰り返してきた。ここまでウォリアーズは戦力をどう組み合わせて戦うのがベストかを見いだせず苦戦が続く。本来であれば絶対的な主力であるグリーンの度重なる出場停止が、この状況を悪化させているのは間違いない。もし再び愚行を犯すようなことになれば、いよいよウォリアーズは不振から抜け出せなくなる。