長いリハビリ中に『孤独』を経験したエンビード
シクサーズの『救世主』と呼び声の高かった2016年ドラフト1位ルーキー、ベン・シモンズのNBAキャリアは、思わぬ形でスタートした。昨秋のトレーニングキャンプ最終日に右足第5中足骨基部を骨折。今月中にデビューすると言われているものの、まだ具体的な復帰の日時は発表されていない。
そんな中、シモンズは2016年12月31日にジョエル・エンビードらと一緒に撮影した画像を自身のInstagramに投稿した。
エンビードは2014年のドラフト全体3位でシクサーズから指名されたが、シモンズと同様に足のケガで出遅れ、NBAデビューまで2年の月日を要した。それだけに、リハビリ時期に感じる精神的な苦痛や苦悩を理解する一人だ。
エンビードは『CSN Philly』に対し、シモンズへの配慮が必要と語った。「自分も似たような状況を経験したから、ベンも感謝するんじゃないかな。ケガをして、リハビリ中に孤独に感じた時があった。そんな時、周りで支えてくれる仲間がいるだけで心強く感じたものさ」
エンビードは、思うようにケガが回復しなかった時期、ナーレンズ・ノエルに誘われることが多かったという。
「フィラデルフィアに着いた時、ナーレンズがいろいろな場所を案内してくれたんだ。初めてロード遠征に出た時も、彼が一緒にいてくれた。もちろんコーチや、(選手育成アシスタントディレクターの)クリス・バブコックも常にメールで連絡をくれていたけれど、一番連絡を取っていたのはナーレンズだった。仲の良い関係だよ」
パワーフォワードの体格ながらポイントガードとしてもプレーできる万能性を持つシモンズは、間違いなくシクサーズを一段も二段も上のレベルに高められるだけの逸材と言われているだけに、焦りは禁物だ。今シーズンも低迷し、東カンファレンス14位と苦しい戦いが続いているが、エンビードのように将来有望な若手が揃っているため、ここ数年でプレーオフに進出できるだけのチームに成長する可能性は十分にある。
何よりも、お互いを気遣うことのできる選手が多いのは、良いチームに欠かせない要素の一つ。シモンズが万全な状態で復帰した時のシクサーズから目が離せなくなりそうだ。