ドラフトトップ10指名が確実視される中まさかの20位指名に
今年のNBAサマーリーグでMVPを受賞したのはロケッツの新人キャム・ウィットモアだった。5試合に出場し平均20.4得点、5.6リバウンド、2.2アシスト3.0スティールと、攻守に渡って見事なプレーを見せた。
ちなみにサマーリーグのオールファーストチームにはウィットモアを含め、キヨンテ・ジョージ(ジャズ)、サム・メリル(キャバリアーズ)、オーランド・ロビンソン(ヒート)、ハンター・タイソン(ナゲッツ)が選出されている。
MVP選出についてウィットモアは「これまでと違った感情だ。自分自身、そしてチームを誇りに思う」と喜びを表現。そして、昨年のドラフト全体3位指名であるチームメートのジャバリ・スミスJr.は「彼は本物だ」と称えた。「他の選手にない特徴があり、ハードにプレーする。若くて爆発力がある。だから彼にはシンプルにプレーするように伝えていた」
今回、素晴らしいプレーを見せたウィットモアだが、ドラフト当日は悪い意味で目立ってしまった。高校時代から世代屈指のウイングと評価され、昨シーズンは名門ビラノバ大で1年生ながら主力として26試合出場、平均12.5得点、5.3リバウンドをマーク。ドラフトの下馬評では、ずっとトップ10以内に指名されると見られていた。だが、実際にドラフトでは20番目になってようやく指名された。ここまで指名順位を落とした背景には、故障などコンディション面の不安に加え、チーム毎に行ったドラフト前のワークアウトやその後のインタビューの内容がよくなった点を指摘されている。一方で、素材としてのポテンシャルは一級品であることは確かであり、ロケッツが全体20位でウィットモアを獲得できたのは、今年のドラフトを代表するお買い得指名だったと考える人たちも少なくない。
サマーリーグで活躍したからといって、NBAでの活躍が保証されることはない。ただ、少なくともウィットモアは非凡な才能の持ち主であることを証明した。レギュラーシーズンでも結果を残し、ウィットモアの獲得を見送った上位指名権を持つチームを後悔させることができた時、彼だけでなくロケッツも相手にとって脅威の存在になってくるはずだ。