3ポイントシュート攻勢&鉄壁の守備でオーストラリアを圧倒
6月28日、バスケットボール女子日本代表が『FIBA女子アジアカップ2023』の予選リーグ最終戦でオーストラリアと対戦した。
日本の先発は山本麻衣、林咲希、馬瓜ステファニー、赤穂ひまわり、髙田真希の5人。序盤はホームのオーストラリアのペースに。パスカットからワンマン速攻で先制すると、積極的に放つ3ポイントシュートが高確率で決まり8-0と先手を取った。
日本はトランジションからフリーを作るも、生命線である長距離砲が決まらない。それでも、馬瓜がミドルシュートで繋ぐと、徐々にディフェンスの強度が増していく。第1クォーターだけで6本のターンオーバーを誘発したように守備からリズムをつかんだ日本は髙田やオコエ桃仁花のドライブが効果的に決まり、ベンチメンバーも持ち味を発揮して15-21で第1クォーターを終えた。
第2クォーターに入ってもインサイドで失点し、なかなか点差を詰められなかった日本だが、お家芸の長距離砲が火を噴いたことで一気に主導権を握る。スムーズなボールムーブから山本、馬瓜が3ポイントシュートを沈めると、鉄壁のディフェンスから走り林がトランジションスリーを成功させて、開始約4分で1ポゼッション差に迫る。オーストラリアはこのタイミングでタイムアウトを取ったが、日本の勢いは止まらなかった。
ミスマッチを突かれても、逆サイドからビッグマンがダブルチームで挟みタフショットを強いれば、ボールマンプレッシャーも強めてパスミスを誘発。リバウンドへの意識も高く、ティップアウトでマイボールにし、そこから走る理想の展開を作った。その後も長距離砲が止まらない日本は、山本の4本を含む10本中7本の3ポイントシュートを成功させ、29-11とこのクォーターを圧倒した。
12点リードで後半を迎えた日本は引き続きインサイドへのダブルチームを仕掛けていったが、そこからさばかれるようになったことで後手を踏んだ。それでも、ディフェンスの強度は下がらず常にプレッシャーをかけ続けたことで、決してアドバンテージを与えることはなかった。そして、第3クォーターも山本は止まらず、3ポイントシュートにドライブからのレイアップと相手を翻弄。星杏璃も山本に続けとばかりに多彩なフィニッシュでオフェンスを牽引した。そして、オコエの3ポイントシュートで締めた日本がこのクォーターも26-19で上回った。
日本は最終クォーターに入ってもまったく集中力が落ちなかった。特に赤穂はブロックショットを連発し、速攻を一人で止めるなどリムプロテクターとして機能した。さらにオフェンスでもドライブで切り裂き、コーナースリーを沈めるなど、オールラウンダーぶりを発揮した。こうして最後まで主導権を渡さなかった日本が最終スコア91-66で快勝した。
日本はともに4本の3ポイントシュートを沈めたオコエが20得点、山本が19得点とオフェンスを牽引。序盤は12.5%と不調だった3ポイントシュート成功率は最終的に51.52%を記録し、あらためて日本の生命線であることを証明した。
オーストラリアに勝利した日本はグループリーグを全勝で通過しベスト4を確定させたとともに、パリオリンピックの世界最終予選(OQT)の切符を手にした。