7チームが複数の1巡指名権を持っている状況
今シーズンのNBAはナゲッツの初優勝で幕を閉じた。そして、次なるビッグイベントは現地6月22日に開催されるドラフトだ。スパーズが全体1位でビクター・ウェンバニャマを指名するのはほぼ確実。注目が集まるのは全体2位指名権を持つホーネッツがアラバマ大1年のウイングであるブランドン・ミラー、Gリーグのイグナイトのポイントカードであるスクート・ヘンダーソンのどちらを指名するかだ。また、ミラーかヘンダーソンを指名するためホーネッツ、もしくは3位指名権を保有するトレイルブレイザーズとのトレードを仕掛けるチームが出てくることも予想される。
今年のドラフトの特徴として、7チームが複数の1巡指名権を持っている点が挙げられる。ホーネッツ(2位、27位)、ブレイザーズ(3位、23位)、ロケッツ(4位、20位)、マジック(6位、11位)、ペイサーズ(7位、26位、29位)、ジャズ(9位、16位、28位)、ネッツ(21位、22位)は、これらの指名権を使うことで順位をアップしたり、即戦力の獲得に動ける柔軟性を持っておりその動向にも注目が集まっている。
また、『Yahoo Sports』のクリステン・ピーク記者は、複数のチームが指名権を使ったトレードに動くと予想する声が多い背景には、来年、再来年のドラフト候補生たちが今年に比べてタレント不足という評価がリーグ内にあると指摘している。
そんな中、最近になって注目されているのはペリカンズだ。ザイオン・ウィリアムソンと全体14位指名権のパッケージで、上位指名権の獲得を狙っていると言われている。ただ、少なくとも2位のホーネッツは指名権を譲渡することに消極的だ。デイミアン・リラードを軸に再建モードではなく来シーズンの上位進出を狙っているブレイザーズは、当初は全体3位指名権を絡めた即戦力の獲得が濃厚と見られていたが、ヘンダーソンがワークアウトで評価を大きく高めたこともあり、このまま指名権をトレードしない可能性も十分にあり得る。
そしてウィリアムソンに関しては故障が多くどれだけ稼働できるか計算が立たないことに加え、先日、女性問題が発覚と、ネガティブなイメージが先行している。この状況でウィリアムソンの復活にかけるチームが出てくるのかは疑わしい。
ウェンバニャマの1位指名が確実な中、NBAドラフト2023はいつも以上に各チームの様々な思惑が絡み合う、興味深いドラフトになりそうだ。