川崎のディフェンスの前に、強みの3ポイントシュートが続かず敗れる

12月10日、秋田ノーザンハピネッツはホームで川崎ブレイブサンダースと対戦した。前節からの連敗を止めたい秋田は、第1クォーターからアウトサイドシュートを軸にリードを奪うが、後半から川崎の強度の上がったディフェンスの前にタフショットを打たされ得点を伸ばすことができず、延長の末85-92で逆転負けとなった。

この試合の指揮を執ったケビン・ブラスウェルアシスタントコーチは次のように振り返っている。「前半は流れが良く、良い流れの中でシュートを打つことができていましたが、後半から川崎さんがゾーンやマンツーなどディフェンスのリズムを変えてきた中で、そのディフェンスに対応することができませんでした。流れが相手に傾いても、良い流れでアウトサイドシュートを決めることができなかったことが敗因だったと思います」

ブラスウェルアシスタントコーチが悔やむように、序盤こそ中と外を経由した良いボールムーブからフリーでシュートを打てる場面を作り出すオフェンスが展開できていたが、川崎のチェンジングを繰り返すディフェンスの前に、ボールと人が止まってしまい良いリズムでシュートが打てなかった。チームハイの20得点をマークした古川孝敏も、第1クォーターに3ポイントシュート2本を含む11得点を挙げるも、第4クォーターは無得点に終わってしまった。古川は試合終盤の戦い方についてこう話す。

「出だしは良い入りをしたんですけど、終盤に入った時の試合運びが上手くいかなかったです。ここ最近、良い流れで試合に入っていても最後の最後に勝ち切れない試合が続いているので、今日こそは勝ちたいという思いがあったんですけど、非常に残念でした」

「自分たちが覚悟を持って準備しないといけない」

古川が振り返るように、秋田は前節の千葉ジェッツ戦もこの試合と同様に、前半は3ポイントシュートで試合の主導権を握るも、後半になるとシュート成功率とともにオフェンスの勢いが落ちてしまい逆転負けを喫した。また、ここまでの10敗のうち6敗が1桁点差のゲームと、勝負どころでシュートを決められず接戦を勝ち切れないことが悩みの種となっていた。

「今日のようなチャンスのある試合を落とすことは非常にもったいないですし、こういった試合を勝ち切れるか勝ち切れないかは本当に大きいです。我慢して勝ち切ることができれば自信になります。みんなが同じイメージを思い浮かべられるようにできれば、よりスムーズに戦うことができると思っています」

数試合で出た課題が克服できず苦しい秋田だが、悪いプレーだけが出ているわけではない。今シーズンは、リーグ開幕以降最高勝率となった昨シーズンのメンバーから外国籍選手以外は変わることがなく、チームケミストリーも高まっている。また、開幕から数試合こそ序盤の入りが悪く、追いかける展開の試合が多かったが、古川や田口成浩などシューター陣の3ポイントシュートを武器に、アルバルク東京、千葉J、川崎などの強豪を相手に先手を打てる実力もついている。

「シーズン当初はゲームの入りが良くなかったので、ここ数試合で良くなっていると思います。その入りの良さを40分間継続できればいいんですけどね。でも良い時も悪い時も当然あるので、どんな時間でも自分たちのバスケットができるようにしないといけないです。最後の最後を勝ち切るためのバスケットを全員が思い描いてプレーできたらなと思います」

全員が同じ意識を持って戦うことを強く語った古川は、最後に昨シーズンの苦い記憶を思い返しながら覚悟を口にした。「昨シーズンのCSはしっかりやられて終わっているので、あそこに立てただけで満足してはいけないです。優勝を目指すためにはこれまでやってきた以上のことを自分たちが覚悟を持って準備しないといけない。全員でダメなところを補いながら強くなっていきたいと思います」