「監視カメラの映像が提出されないなら、我々はこの大会を去る」
ユーロバスケットの大会3日目は、ベルギーがスペインを、ボスニア・ヘルツェゴビナがスロベニアを、ジョージアがトルコを破る大番狂わせの連発となった。それでも、トリビシで開催国ジョージアがダブルオーバータイムの末にトルコを退けて大会初勝利を挙げた試合は、後味の悪いものになった。
開幕2連勝のトルコに対して第2クォーター早々に2桁のリードを許したジョージアだが、その後は反撃に転じて前半のうちに逆転。後半もわずかながらリードする時間帯の長い健闘を続けていた。
問題が起きたのは第4クォーター途中、ドライブからシュートを狙ったフルカン・コルクマズをドゥダ・サナーゼがファウルで止め、その際に何かを言葉を交わしたことから両者が激高。頭での押し合いから乱闘に発展し、止めに入ったチームメートもコート上で揉み合いになった。
サナーゼは自国メディアに「コルクマズには『ひどい判定だ』と言ったんだけど、あんな反応が返ってきて正直驚いた」と語っている。両者とも退場となったこの一件から、アリーナは不穏な空気に。この後、試合はダブルオーバータイムの末にジョージアが88-83で勝利しているのだが、試合後もヒートアップは収まらなかった。トルコが正式に抗議を申し入れたのだ。
一つはコルクマズ退場で揉み合いになっている間にゲームクロックが流れ、20秒近くが過ぎたのに訂正されなかったこと。この時点ではジョージアの3点リードで、試合時間が短くなるのはトルコに不利だった。さらに衝撃的だったのは、ヘッドコーチのエルギン・アタマンが退場になっていたために代理で試合後の会見を行ったアシスタントコーチ、ハカン・デミルによる「コルクマズが退場になってロッカールームに戻る際、ジョージアの選手3人と複数の警備員に襲われた」との告発だ。
「監視カメラの映像すべてをチェックさせてもらいたい。映像が提出されないなら、我々はこの大会を去る」と、デミルアシスタントコーチは強い口調で言う。
「コート上では緊張感があるものだし、良い雰囲気だったと思う。選手間の口論は時として起こるが、コート外では友人同士でなければならない。警備員が加わるとは信じられないが、それは映像を確認してからだ。我々はバスケットボールの試合をするためにここに来て、隣国の兄弟とプレーするつもりだった。もっと歓迎してほしかったし、紳士的な振る舞いを期待していたのに、こうなったのは残念だ」
「勝敗は問題ではなくて、勝ったジョージアを祝福したいと思っている。問題はこれが通路で起きたことだ。すべてはコート上で行うべきこと。とにかくそのことが残念だし、チームは動揺している」