ビル・ラッセル

「生涯を通じたコート内外での行動は、後に続く何世代ものプレーヤーを導く」

7月31日、ビル・ラッセルが88歳で死去した。1956年のNBAドラフトで全体2位指名を受けたラッセルは、セルティックスで13シーズンを過ごし、NBA優勝11回、MVP受賞5回、オールスター選出12回を獲得したレジェンドだ。コート外では黒人の地位向上のために尽力。スター選手である彼でさえ、肌の色を理由に遠征先のホテルやレストランの使用を拒否されるような差別を頻繁に受けた時代、人種問題について積極的に発言するとともに、社会正義の実現に向けて具体的な行動にも出た。

レストランで食事が提供されなかった時には試合をボイコットしたし、公民権運動を推進するマーティン・ルーサー・キング牧師に同調し、1963年のワシントン更新にも参加。「I Have a Dream」と語ったキング牧師の演説に同席している。

そのラッセルに対して、NBAは全チームの背番号6を永久欠番とすることで最大限のリスペクトを示す。NBAコミッショナーのアダム・シルバーは、ラッセルの追悼式で遺族にこのことを伝えたそうだ。

背番号6は、ラッセルがキャリアを通じて着用したもの。レブロン・ジェームズを始め、現在すでに背番号6を着けている選手はそのまま使用することができるが、NBAのすべてのチームで、今後背番号6を新たに着ける選手はいなくなる。

また、新シーズンはすべての選手がユニフォームの右肩にラッセル追悼の意味を込めたワッペンを付け、コートには『6』の入ったクローバーをかたどったロゴを掲出する。

NBAは「最も偉大な選手にだけ許されること。生涯を通じたコート内外での行動は、後に続く何世代ものプレーヤーたちを良い方向へ導くもので、感謝にたえない。我々は彼の人生と遺産を祝い続ける」との声明を発表している。

MLBではジャッキー・ロビンソンの42番が全チームにおいて永久欠番となっており、その活動は『42 世界を変えた男』として映画化された。同じようにNHLでもウェイン・グレツキーの99番が永久欠番となっている。