3ポイントシュートの精度向上、フルコートで仕掛けていくディフェンスの遂行が鍵に
オーストラリアに乗り込み7月1日にオーストラリア、3日にチャイニーズタイペイとワールドカップ予選Window3を戦う男子日本代表の面々が本日、オンライン会見を実施。指揮官トム・ホーバスが意気込みを語った。
「この合宿は思ったより良い感じになりました。Bリーグのシーズンが終わったばかりでみんな休んでいました。だから調子がどうかなと思っていましたが、よく準備していました。(6日から12日かけて実施した若手による)ディペロップメントキャンプの参加選手も入れてスムーズに行っています」
15日から始まった今回の代表合宿についてホーバスは、このように手応えを得ている。そしてWindow1と2、これまでの予選4試合の反省も踏まえ「オフェンス、ディフェンスともにアジャストをしました」と語り、オフェンスでは長距離砲の精度向上を最優先課題に挙げる。「3ポイントシュートは40%近くの確率で決めることが必要です。それが日本の鍵となります。40%近くなら、相手に関係なく勝つチャンスはあります。これまでの4ゲームは29%で足りない。今はシューターを探していますが、絶対に確率は上がると思います」
また、ホーバスは試合のテンポを上げたいと強調。そのためにもディフェンスで前から積極的に仕掛け、より多くのターンオーバーを誘発していきたい考えている。「オーストラリアは世界の強豪で経験、身長ともにあり、ハーフコートゲームになると分が悪い。もっとフルコートプレス、スティールを狙って相手のリズムを崩した方がいいです。そして今回はWindow2よりもアグレッシブなディフェンス、フルコートでもピックアップできるメンバーが結構いるので、そこはもうちょっとできると思います」
このアグレッシブな守備の遂行に向けて、指揮官は楽しみな選手の一部を挙げる。「張本(天傑)選手はフルコートのトラップを仕掛けるタイミングが良く、オンボールのフィジカルなディフェンスができます。先週の合宿から参加していた吉井(裕鷹)選手もフィジカルが強く、面白いと思います。テーブス(海)選手も身長、力のあるポイントガードで良い仕事をやっています」
「いろいろな選手を試していく」と多くの選手にチャンスを与える考え
先立って男子代表は42名の日本代表候補リストを発表し、今回は24名がWindow3の予備登録メンバーにリスト入りしている。一番のビッグネームは渡邊雄太だが、ホーバスは「今はチームにいないですが、これは予定通りです。彼は強い気持ちを持っていて、スケジュールが合えば一緒にやりたいです。それは楽しみにしています。アジアカップに来る可能性はあります」と明かし、Window3ではプレーしない模様だ。
元々、男子代表は42名を7月のWindow3とアジアカップに出場するチーム、もう一つは8月Window4と国際強化試合に出場するチームに分ける方針(一部の選手は両方に選出の可能性)を示している。その中で、今回の選考には「琉球(ゴールデンキングス)と宇都宮(ブレックス)はチャンピオンシップの決勝まで、川崎(ブレイブサンダース)と島根(スサノオマジック)は準決勝まで戦いました。その4チームの選手はWindow3にはあまり呼ばない方がいいかなと思いました。全部の試合で勝ちたいから、どのバランスがいいのか。他にもケガ人がいたり、スケジュールの問題もあって選考はいろいろと大変でした」と苦労があったと語る。
準決勝まで進んだ川崎でフル稼働していた藤井祐眞がメンバー入りしたのは、彼以外のポイントガード3名(テーブス、河村勇輝、齋藤拓実)とのバランスを判断した結果だ。「藤井選手を選んだのは今回のポイントガード4人の内、河村選手とテーブス選手は若いので経験のある選手を呼びたかったです。また、齋藤選手と河村選手は身長がないので経験とフィジカルのあるポインドガードがいたほうがいいと思いました」
今の男子代表は多くのメンバーを招集し、ホーバスの指向するスタイルに適合する選手は誰なのかまだ模索している段階だ。ただ、指揮官は「いろいろな選手を試していく。みんなにチャンスはあります。そして思ったより若い選手たちはステップアップしてくれています」と明るい兆しを感じ取っている。7月のワールドカップ予選とアジアカップで、代表に新たな活力を与えてくれる選手の出現が待たれる。