文・写真=泉誠一

追い上げる北海道を引き離す、千葉の3ポイントシュート攻勢

試合前から西川貴之、ブライアン・フィッツパトリック、牧全の3人をケガで欠き、7人で臨むことに話題が及んだレバンガ北海道。しかし千葉ジェッツも西村文男に続き、ルーキー原修太も骨折により戦線離脱し、10人しか使えない。Bリーグ規約には「シーズン中は10~13名以下を保有」と定められているが、北海道はケガ人も含めてベンチに10人が入っていたことでこのルール違反は免れている。

しかし、練習で5on5ができなかった準備不足が立ち上がりでは大きく響いた。富樫勇樹が電光石火のごとく自陣にボールを運び入れてチャンスを作ると、千葉が次々とネットを揺らし17-1と一方的な展開に。第1クォーター残り3分、千葉がスターターを下げた時間帯から北海道が巻き返し、5連続得点を挙げて17-11とし、6点差まで追い上げた。

「チームとして良い時間帯だったので、ベンチメンバーにも共有させたい」と期待して選手を交代させた千葉の大野篤史ヘッドコーチ。その期待とは裏腹に、「ディフェンスが悪くなった時に、さらにオフェンスで加点しなければいけないという意識が強くなってしまってうまくいかなかった」と振り返る。

不安定ながらも51.6%と高確率の3ポイントシュートを決めた千葉はリードを広げ、前半終わって40-28と12点リードを奪う。北海道は地道にディフェンスを頑張りながら追い上げを見せたが、千葉の3ポイントシュートが後半も重くのしかかる。第4クォーター早々、北海道が連続得点で61-52と9点差まで迫った場面でも、この日4本目となる石井講祐の3ポイントシュートで引き離された。

野口大介は、人数が少ない中で体力的に苦しい第4ピリオドに12点を挙げ、20点に乗せた。ポイントガードの多嶋朝飛が前線からプレッシャーをかけ、最後の場面では折茂武彦もボールを奪うディフェンスを見せ続け、戦う姿勢を示す北海道。対する千葉は北海道のゾーンディフェンスをパスで崩していきながら53.6%(15/28本)と驚異的な3ポイントシュート成功率で80-65とし、ホーム戦を勝利で飾った。

オフェンスのテンポはディフェンスから始まる

敗れた北海道の水野宏太ヘッドコーチは、「プロとして戦っている以上は、見に来てくれているお客さんに勝ちを見せることが一つの仕事でもある。今日の試合で戦ってる姿を見せられることはできたかもしれないが、勝つ姿は見せられなかったので、明日はしっかり切り替えて勝ちに行きます」とアウェーでの勝利を目指す。ホームで負けられない千葉の大野ヘッドコーチは、「今日の試合同様にフィジカル強くディフェンスをして、相手のゾーンに惑わされずにテンポを上げていきたい。オフェンスのテンポはディフェンスから始まることを徹底していきたいです」と抱負を語った。

「ホームタウンふなばしデー」と銘打ち、在住、在勤、在学の船橋市民に2階席を無料開放した千葉ジェッツだったが初戦は4305人と、前回の栃木ブレックスを迎えて行われたホームゲームの6000人越えには及ばなかった。

10月23日も17時より船橋アリーナで北海道との対戦。この試合も船橋市民に2階席が無料開放される。また、前座試合として『JX-ENEOS ウインターカップ 2016』の出場権を争う千葉県予選男子準決勝の2試合が11時半より予定されている。