B.LEAGUE Hope

クリニックで子供たちと笑顔の触れ合い

6月23日、Bリーグが社会問題に取り組む活動『B.LEAGUE Hope』の一環として、選手たちが岩手県の陸前高田市で復興支援活動を行った。

20名の選手たちは2011年の東日本大震災で甚大な被害を受けた陸前高田市を訪れ、震災遺構となった『奇跡の一本松』や旧気仙沼中学校を見学。地震の破壊力をあらためて目の当たりにした。

日本バスケットボール選手会で会長を務める竹内譲次にとっては2014年以来の訪問。「被災していない僕がこういうことを言っていいのか分かりませんが、前進しているとは思いますが復興にはまだまだ時間が必要だと感じました。被災していない僕のような人間が、こういうことを風化させてはいけないとあらためて感じました」と語る。

その後、震災で全壊した高田市民体育館の代替施設として2018年4月に建設された『夢アリーナたかた』にて、地元の小学生を対象としたバスケットボールクリニックを行った。

林翔太郎が川崎ブレイブサンダースのアップメニューを取り入れ、学年ごとでメニューを変えるなど、工夫を凝らされた内容に子供たちは笑顔で練習に励んだ。プロ選手と試合をし、休憩中にはサインをもらうなど、子供たちは「一生の思い出になった」と大満足の時間を過ごした。

B.LEAGUE Hope

『関係人口』を増やすために

クリニック終了後は、同会場で桜の植樹式が行われた。

陸前高田市は津波によってお花見をする場所がなくなってしまった。そのため、将来は市民がここでお花見ができるようにとの思いを込め、桜の植樹をすることに。今回の植樹により、『夢アリーナたかた』は交流の場という付加価値も持つようになった。

Bリーグ事務局長の葦原一正は『関係人口』の大切さを強調する。「定住(移住)人口、交流(観光)人口も増やしたいと市は望んでいます。それは簡単なことではありません。その中で、彼らが最も大事にしているのは、関係(多様に関わる)人口を増やすことなのです」

その後、『B.LEAGUE Hope』のモニュメントの寄贈式も行われた。選手たちは直筆のサインをモニュメントに記し、見学に訪れた人たちと記念撮影をして活動を終えた。

こうしてプロバスケットボール選手たちが被災地を訪れ、復興をアピールするとともに、桜の植樹やモニュメントの寄贈で足跡を残していく。ファンが陸前高田市を訪れた際には、是非ここに足を運んで『関係人口』を増やすことに協力してもらいたい。

4年連続でこうした活動に参加している伊藤大司は「逆に子供たちからエネルギーをもらいました」と話し、「変な言い方ですけど、お互いにとって素晴らしい経験でした。子供たちも本当に楽しんでくれましたし、僕らが来ることによって皆さんが元気になってもらえたと思うので、最高ですね」と晴れやかな表情を浮かべた。

B.LEAGUE Hope

参加選手

枡田祐介(岩手)
宮本滉希(仙台)
猪狩渉(福島)
長谷川武(越谷)
田口成浩(千葉)
竹内譲次(A東京)
ベンドラメ礼生(渋谷)
林翔太郎(川崎)
夏達維(八王子)
小原翼(横浜)
福澤晃平(茨城)
飯田遼(信州)
今村佳太(新潟)
木下誠(名古屋D)
渡邊翔太(三遠)
伊藤大司(滋賀)
岡田優介(京都)
土屋アリスター時生(西宮)
石川智也(香川)
本村亮輔(熊本)