デイミアン・リラード

腹部のケガを抱えるリラードはアウェー6試合の遠征に帯同せず

デイミアン・リラードは今シーズンの40試合のうち直近の5試合を含む11試合を欠場している。現地1月13日から始まるアウェー6連戦は治療を優先するためにチームに帯同しないことが発表された。『ESPN』はリラードに近い関係者の話として、腹部のケガは手術する可能性が高く、その場合は約8週間の欠場になると伝えている。腹部のケガはリラード自身が「ここ3、4年はずっとプレーに支障がある」と説明している古傷であり、彼の欠場試合数が大幅に伸びるのは決定的だ。

ブレイザーズはここまで16勝24敗で西カンファレンス10位。リラードの離脱が短期間で済んだとしてもプレーオフ進出は定かでなく、今シーズンをあきらめる選択肢が見え始めている。現実的に考えてブレイザーズとリラードが進むべき道は、プレーオフ進出を断念して来シーズン以降の準備に専念することだ。そうなればリラードは身体のメンテナンスを最優先させ、その役割はキャリア4年目のアンファニー・サイモンズに託すことになるだろう。

これは2年前にウォリアーズがやったことでもある。ステフィン・カリーが指を骨折した時点でウォリアーズはシーズンを捨てた。カリーにはコンディション調整を優先させ、若手にはプレッシャーを与えずプレータイムを伸ばして経験を積ませ、そして負けることでドラフトの上位指名権を得る。2019-20シーズンのウォリアーズは15勝50敗のリーグ最下位まで落ち込んだが、翌シーズンにはカリーがMVP級のパフォーマンスを取り戻し、今シーズンは若手が育ったところにクレイ・トンプソンの復帰も重なって、優勝を狙える強豪の姿を取り戻した。

しかし『超現実的』にブレイザーズが本格的なチーム再建に踏み切る場合、リラードのトレードも選択肢に入ってくる。ブレイザーズはウォリアーズとカンファレンスファイナルを戦った2018-19シーズンがピークで、その後もリラードを中心とするバスケを続けるものの、2シーズン連続でプレーオフ1回戦敗退。チャウンシー・ビラップスへのヘッドコーチ交代も特効薬としての効果は出ていない。

ブレイザーズがそのカードを切るかどうかは別として、最も良い将来の資産に変えられる現有戦力がリラードであることは疑いようがない。『チームの顔』を放出する痛手は小さくはないが、継続路線でウォリアーズやサンズ、ジャズといった西カンファレンスのトップチームと渡り合えるかと言えば、厳しいと言わざるを得ない。

手っ取り早いチーム再建は、リラードとベン・シモンズのトレードだろう。しかし、ブレイザーズが窮地に陥るのを期待してシモンズ問題を先送りにしてきたセブンティシクサーズの思惑に乗るのは悪手だ。プレーを拒否するシモンズは不良債権で、プロフェッショナル精神のお手本であるリラードとは比べ物にならない。レイカーズは(レブロン・ジェームズとアンソニー・デイビスは、と言うべきだろう)リラードを欲しがるだろうが、交換条件がこの数カ月で選手としての価値を下げたラッセル・ウェストブルックでは、これも合意はしづらい。ブレイザーズがリラードを出すとなれば好条件のオファーはいくらでも来る。提示されたオファーで一番良いものを選べばいい。

その場合は肺の病気でしばらく欠場が続いたCJ・マッカラムもブレイザーズを離れることになるだろう。トレード先で噂になっているのはグリズリーズで、契約最終年を迎えたカイル・アンダーソンとタイアス・ジョーンズを含む、1巡目指名権を付けたトレード。グリズリーズではジャ・モラントを中心に、ジャレン・ジャクソンJr.やディロン・ブルックス、デズモンド・ベインと成長株が次々と現れて今は西カンファレンスの4位。現実的にプレーオフが狙える位置にいる。今の主役たちを食うことなく、なおかつリーダーシップを発揮できるマッカラムは適切な補強と言える。

ブレイザーズとリラードが大きな決断を下すのかどうか。答えは今後数週間のうちに明らかになる。