ボル・ボル

サイズと万能性を持つ22歳、ナゲッツではプレータイムを得られず

ピストンズはナゲッツから長身センターのボル・ボルをトレードで獲得した。ナゲッツには30歳のガード、ロドニー・マグルーダーと2022年の2巡目指名権が譲渡されると『ESPN』は報じている。

元NBA選手のマヌート・ボルの息子であるボル・ボルは、221cmの長身を持つ万能センター。2019年のNBAドラフトで上位指名が有力と見られていたが、左足の疲労骨折で大学でほとんどプレーできなかったのが響き、44位指名まで待たなければならなかった。「この評価を変えたい」とNBAの世界に入ったボルだが、ナゲッツでは継続したプレータイムを得られていない。

問題は安定感の欠如だ。長身に加えてリーチの長さ、ミドルレンジも苦にしないプレーの幅広さはあるが、多彩なプレーの一つひとつを適切なタイミングで出せない。サイズを生かして押し込むべき場面で確率の低いミドルシュートを選択し、パスはできるがターンオーバーも多い。3年目の今シーズンも指揮官マイケル・マローンの信頼を得られず。経験のあるジャマイカル・グリーンやジェフ・グリーンはともかく、20歳のジーク・ナジに序列で抜かれ、10日間契約でデマーカス・カズンズが加わった今、構想外となってしまった。

もっとも、昨シーズンのMVPであるニコラ・ヨキッチが絶対的な存在感を持つナゲッツで、若いボルがそのポジションで窮屈なプレーを強いられていた面もある。ここまで8勝30敗、再建中のピストンズでは誰かに合わせるのではなく自分のプレーに集中できる。ナゲッツ時代は好不調の波が問題だった。これまで以上にプレータイムが増え、ノビノビとプレーすることで良い時間帯を伸ばせるかもしれない。

ナゲッツでは最後まで主力に定着できなかったが、ここから新たなチャレンジに挑む。契約最終年を迎えている彼にとっては、NBAに残れるかどうかの試練でもある。