文=丸山素行 写真=B.LEAGUE

乱打戦から一転、17-0のランで川崎が主導権を握る

5勝1敗と好調のサンロッカーズ渋谷と、旧NBL王者の川崎ブレイブサンダーズ。中地区の主導権を争う一戦は、インサイドからの得点で要所を締めた川崎が89-74で勝利した。

先行したのは川崎。立ち上がりからニック・ファジーカス、長谷川技が連続で3ポイントシュートを決めて6-0とリードする。その後もライアン・スパングラーの速攻、そしてエースのファジーカスが第1クォーターだけで15得点を荒稼ぎする。

それでもSR渋谷も負けていない。アイラ・ブラウンがファジーカスをぶち抜きスパングラーのブロックを交わしながら豪快なダンクを叩き込んで反撃開始。ベンドラメ礼生が3ポイントシュートのバスケットカウントで4点プレーを決めて追い上げ、もう一本3ポイントシュートを決めて逆転に成功する。最後にはアールティー・グインも3ポイントシュートを決め26-25。このクォーターだけで5本の3ポイントシュート攻勢を見せたSR渋谷が壮絶な打ち合いを制した。

しかし第2クォーター、藤高宗一郎とグインのバックドアが決まり、ベンドラメのスティールからの速攻で30-25と最高の出だしを切ったSR渋谷に対し、川崎が攻守のギアを一段上げて猛反撃を開始する。

激しいディフェンスで相手の得点をピタリと止め、その間にジェフ・磨々道とファジーカスがインサイドを制して次々と得点を重ねる。栗原貴宏の3ポイントシュートが決まって42-30。7分近く川崎だけが得点し続ける、実に17-0のランで一気に試合をひっくり返した。

川崎はインサイド陣だけで61得点を挙げ勝利を引き寄せる

後半、伊藤駿がグインとのピック&ロールで抜け出し3点プレーとなるバスケットカウントを決めるなどSR渋谷も必死に食らい付くが、一度乗ってしまった川崎の勢いを止めるには至らず。ファジーカスと磨々道がインサイドでの得点、フリースローを重ねてリードを広げる。

10点差で迎えた第4クォーター、藤高が技ありのパスフェイクからドライブでスパングラーをかわして得点し、次のポゼッションではローポストでディフェンスを背負いフック気味のシュートを沈めるなどSR渋谷にも良いプレーがあったが、ここでも川崎が上回る。藤井祐眞が激しいディフェンスで相手のターンオーバーを誘発し、ファジーカスがオフェンスリバウンドからバスケットカウントを決め、連動したディフェンスからスパングラーの速攻が飛び出す。得点を89まで伸ばした川崎が勝ち切った。

ファジーカスが31得点13リバウンドの大爆発。スパングラーが16得点、磨々道が14得点とインサイド陣だけで61得点を挙げる結果となった。

SR渋谷はブラウンが24得点8リバウンド2ブロックを記録し、会場を盛り上げる豪快なダンクを4発もお見舞いした。若いベンドラメと藤高が2桁得点を記録。もっともこちらは2人で7つのターンオーバーを犯したのは課題だ。

試合後、川崎の北卓也ヘッドコーチは、乱打戦となった第1クォーターについて「相手の3ポイントシュートをケアするつもりが、そこをやられてしまった」と振り返りながらも、「第2クォーターからはうまく対応してイージーな得点を与えなかった」と勝因を語った。

第2戦は今日、青山学院記念館で14時ティップオフとなる。