37分の出場で26得点13リバウンド1アシスト1ブロックを記録
ラプターズはこの10日間で4試合中3試合が延期に。現地12月26日のキャバリアーズ戦も、最後まで開催が危ぶまれたが、試合を行うために必要な8選手がギリギリ揃った。しかし、フレッド・バンブリートやギャリー・トレントJr.、OG・アヌノビー、スコッティ・バーンズと主力がごっそり健康安全プロトコル入り。使える8選手にしても4人は10日間契約でチームに加わったばかりの選手となった。
これまで29試合を戦って、先発出場の経験はクリス・ブーシェイが5試合、スビ・ミハイリュクが4試合で、ダラーノ・バントンと渡邊雄太はゼロ。その4人に加え、10日間契約を結んだばかりでラプターズでは初出場となるDJ・ウィルソンが先発で起用された。
渡邊のボールタッチは当然増え、彼自身もいつも以上に自分でアタックする積極性を見せた。急造チームで練習もままならないまま迎えた試合ながら、ラプターズは『らしい』チームディフェンスを遂行し、そこで渡邊もフットワークの良さと的確な判断でヘルプに飛び込む『らしさ』を見せる。全員でディフェンスし、攻めではブーシェイと渡邊が積極的にリングへと向かい、第1クォーターは34-35と競った展開に持ち込んだ。
しかし、10日間契約の選手がコートに増えると、選手の実力よりも連携の面で齟齬が出る。キャブズもジャレット・アレンにエバン・モーブリー、アイザック・オコロと主力を健康安全プロトコルで欠いていたが、それでも普段一緒に練習しているメンバーで戦えており、試合が進むにつれて点差は開いていった。
55-72で迎えた後半、巻き返そうとするラプターズの気負いが悪い方向に出る。それまではチームとして戦う形を維持できていたが、個々が取り返そうとし始めたためにオフェンスもディフェンスも噛み合わなくなる。試合序盤の集中を維持できずチームディフェンスは崩れ、オフェンスでは連携ミスからターンオーバーを連発。8人ローテで体力的にも厳しさが出てきた。渡邊のアシストを受けたブーシェイの3ポイントシュートが決まった以外は次々と失点する3-20のビッグランを浴びた。
この時点で勝敗は決したが、渡邊はプレーの強度を落とさない。第3クォーター終盤、長身のタッコ・フォールのブロックをかわすスピードに乗ったレイアップを決めると、ミハイリュクのアシストを受けて3ポイントシュートを決めて、得点をキャリアハイの22に乗せた。
渡邊は37分の出場で26得点13リバウンド1アシスト1ブロックを記録。得点、リバウンドともにキャリアハイを更新し、キャリア2度目のダブル・ダブルとなった。チームは99-144と大敗したが、この状況では仕方ない。ラプターズとしては2日後のホームでのセブンティシクサーズ戦までに多少なりとも主力をチームに戻したいところだ。