高島紳司

大阪が川崎との点の取り合いを95-84で制する

大阪エヴェッサがクリスマスゲームで川崎ブレイブサンダースと対戦。特別指定で加入したばかりの大東文化大3年生、高島紳司がフィールドゴール9本をすべて成功させて23得点と大暴れ。95-84と点の取り合いを制し、前日に敗れた雪辱を果たした。

試合の出だしに大阪が連続ターンオーバーでつまずくと、川崎は篠山竜青の3ポイントシュート、ジョーダン・ヒースのバスケット・カウントなどで8-0と先行する。しかし、大阪はここでニュービル、高島の連続3ポイントシュート成功で悪い流れを断ち切った。このまま点の取り合いとなり、大阪が24-27と3点ビハインドで迎えた第2クォーター、ディフェンスリバウンドからのトランジションで高島がレイアップ。さらに中村浩陸がコンタクトを受けながらレイアップを決めきるなど、若手ガード陣の積極果敢なプレーでリズムを引き寄せる。一方、川崎はオフェンスではパスミスが多く、守備でもエナジーに欠け、ノーマークのチャンスを次々と許してしまう。大阪は前半だけでニュービルが17得点、高島が13得点と活躍。大阪が56-40と一気に突き放して前半を終えた。

後半に入ると、川崎は激しいディフェンスで大阪のミスを誘発して流れを引き寄せる。篠山の3ポイントシュートで第3クォーター残り4分には5点差にまで縮めるも、大阪は終盤にかけて中村、木下誠と若手ガードの活躍で再びリードを2桁に戻す。

第4クォーター、年内最後のホームゲームをこのまま終わりたくない川崎だが、ボールムーブが少なく外からシュートを打つ単調なオフェンスが続いて得点が伸びない。一方、大阪は絶好調の高島の勢いが止まらない。残り5分17秒、高島の3ポイントシュートで87-70と一気に突き放すと、その後は集中力を欠いた川崎相手に楽々と逃げ切った。

高島紳司

「やらないといけないのはディフェンスとブレイクに走ること」

リベンジを果たす原動力となった高島は、昨シーズンも特別指定で大阪に在籍。ただ、一年前は1月末に練習生で加入し、そこから2月中旬に特別指定を結んだことで公式戦デビューは2月27日と遅く、3月末に大学を戻るまで9試合出場に留まった。とはいえ、9試合のうち6試合で20分以上のプレータイムを得るなど主力の一員を担い、加入当初から大きく評価を上げていた。この実績があり、今年は大学のシーズン終了直後となる12月中に特別指定で再合流。前日の試合で早速、今シーズン初戦を戦っていた。

そして迎えたシーズン2試合目で、早くも大活躍の高島はこう語る。「試合前、コーチたちに何も考えずにアグレッシブにやれと言われていて、それをコートで表現できたのは良かったと思います。最初にシュートが入って、その後は空いたら打とうという気持ちでプレーしました」

大阪ではディージェイ・ニュービルが絶対的エースであり、彼は26得点5アシストを記録している。それでも高島のインパクトはそれに劣らないものだった。ただ、天日謙作ヘッドコーチは何よりもそのディフェンス力に大きな信頼を寄せる。「一番評価しているのはディフェンスです。彼はディフェンスが好きだと思います。すごくエネルジーがあって、脚もあるし、機転も効きます」

本人も守備第一の意識を強く持っている。「去年、試合に出られたのはオフェンス能力ではなく、ディフェンスを評価されていたからだと思います。今年もまず、やらないといけないのはディフェンスとブレイクに走ることです」

今節の大阪はザック・モーア、カイル・ハントが欠場するなど、引き続き故障者の続出に苦しんでいる。それだけに高島は、特別指定ながら加入早々から貴重な戦力補強となっている。

「今日のようにどんどんシュートを狙っていってチームの勝利に貢献していきたいです。まだ、大学4年生のシーズンがあるので、そこに繋げられるようにもっとレベルアップしていきたいです」。このように意気込みを語る高島は、大阪がここから浮上するためのキーマンとして注目すべき存在だ。