ジョエル・エンビード

「どのチームも選手のケガや病気に苦しんでいる。それが今のNBAなんだ」

ホーネッツはラメロ・ボールにテリー・ロジアーとメイソン・プラムリーの先発3人、そしてジェイレン・マクダニエルズが健康安全プロトコルに抵触。主力を欠きながら現地12月5日にホークスに競り勝つ大健闘を見せたものの、その後にイシュ・スミスまで健康安全プロトコルに加わり、計5人がチームを離れている。これでは勝てるはずがない。この時期のホーネッツと2連戦が組まれていたセブンティシクサーズにとっては、ラッキーな2連勝となった。

しかし、シクサーズも病気やケガに悩まされるシーズンを送っており、クラブとの関係悪化からベン・シモンズがいまだ1試合にも出場していないことを抜きにしても、先月後半にはトバイアス・ハリスを皮切りに、ジョエル・エンビードとマティース・サイブルが健康安全プロトコルで一時チームを離れる苦しい時期を過ごしてきた。

指揮官のドック・リバースはホーネッツとの2試合目を前に、「ようやくチームは調子を取り戻しつつある。ジョエルもトバイアスもコロナの影響から抜け出しつつあり、タイリース(マクシー)も風邪が治ったところだ。今回、ようやくケガ人がいなくなった」と、ホーネッツの状況も気に掛けながら話した。

「どのチームも選手のケガや病気に苦しんでいる。それが今のNBAなんだ。ただ、ウチは来週にはようやく全員がコンディションに問題なく戦えそうだ」

ホーネッツ相手に2勝して通算成績を14勝11敗とし、東カンファレンスの順位を6位に上げた。昨シーズンのレギュラーシーズンでは東のトップだっただけに物足りないようにも感じるが、指揮官の意見はその逆だ。「これだけ問題を抱えながら、自分たちのバスケのスタイルを崩さずに戦い続け、勝率5割を超えていることを評価したい。私は今の順位をポジティブに受け止めているよ」

110-106で勝ったホーネッツとの2試合目も、残り3分まで負けている大苦戦となったが、最後はエンビードがエースの力で相手をねじ伏せている。そのエンビードは試合序盤にシュートを狙った際、止めに入ったケリー・ウーブレイJr.に顔面をはたかれて目のあたりを押さえて倒れた。以前にはシーズン終盤の大事な時期に目の下を骨折し、プレーオフをフェイスガード着用で戦わなければならなかった過去があるだけに関係者は肝を冷やしただろうが、無事にプレーに戻っている。

長く厳しいシーズンを戦う中でアクシデントは付き物。ドック・リバースが率いるチームは様々な困難に見舞われながらも、そのたびに結束力を高めて一歩ずつ前に進んでいる。素晴らしいシーズン前半とは言えないが、この経験がシーズン終盤にモノを言うかもしれない。