ジェームズ・マイケル・マカドゥが31得点13リバウンド5スティールと大暴れ
サンロッカーズ渋谷が11月6日、本拠地で三遠ネオフェニックスと対戦。16点のリードを許し前半を終える劣勢となったが、31得点13リバウンド5スティールと大暴れしたジェームズ・マイケル・マカドゥを軸に立て直して70-64の逆転勝利を収めた。これでSR渋谷は7勝3敗、三遠は3勝7敗となっている。
この試合、SR渋谷はベンドラメ礼生が今シーズン初めてベンチスタートとなる。ベントラメは日本人エースとはいえ10人を超える人数でプレータイムをシェアし、頻繁に選手交代を行うSR渋谷だけに大きな影響はないかと思われたが、そうは行かなかった。
伊佐勉ヘッドコーチが「いつもと違うパターンの交代をした結果、すべてにおいてオフェンスが噛み合わなかったです。それがディフェンスに影響してしまいました」と振り返ったように、出だしから拙攻でリズムに乗れない。一方、三遠は第1クォーターで実に7選手が得点を挙げるなど、ボールシェアができたチームオフェンスで得点を重ね先行する。
第2クォーターに入ってもSR渋谷は24秒バイオレーションとチグハグな攻めが続く中、三遠はジャスティン・ノックス、ロバート・カーターの外国籍コンビを軸に加点。結局、SR渋谷はこのクォーターで3ポイントシュート8本すべて失敗など、フィールドゴール18本中5本成功のわずか10得点しか奪えず。三遠が39-23とリードして試合を折り返した。
しかし後半に入ると、SR渋谷が持ち前の激しいディフェンスを取り戻す。第3クォーター序盤に連続でスティールを奪い、マカドゥが豪快なダンクを叩き込むことで試合の流れが変わる。このクォーターも3ポイントシュートは10本中2本成功のみに終わるが、マカドゥを軸にゴール下への粘り強いアタックを繰り返して得点を重ね、24-10のビッグクォーターを作ることで互角の展開に持ち込んだ。
第4クォーターは流れをつかんだSR渋谷が先行する展開で進むが、三遠は松脇圭志、カーターが要所で3ポイントシュートを沈め僅差で食らい付いていく。しかし、ここで明暗を分けるポイントなったのがフリースローだった。SR渋谷は石井講祐がルーズボールをもぎとるハッスルプレーで相手のアンスポーツマンファウルを誘発するなど、このクォーターで計10本の機会を得て7本を成功させる。一方、三遠の獲得数はわずか1本に留まった。
SR渋谷は1点リードで迎えた残り1分47秒からベンドラメ、マカドゥのフリースローで3点を追加。そして残り26秒、マカドゥがリードを安全圏の4点に広げるフックショットを沈めたことで粘る三遠を振り切った。
「天皇杯で長崎さんには普通に力負けしました」
伊佐ヘッドコーチは、「後半ディフェンスが良くなってオフェンスのテンポが出てきました。後半はしっかり我慢できて良かったですが、前半があまりにも悪すぎました」と試合を総括する。
そして、第3クォーターの反撃についてこう語る。「前半、三遠さんのペースで進んでしまいました。一番はエナジーがなくて、ディフェンスのプレッシャーが全くできていなかったです。後半はまず、ハーフコートではなくフルコートでプレッシャーをしっかりやろうと話しました。エナジーなくして我々は成り立たないです」
先週、SR渋谷は天皇杯3次ラウンドでB3の長崎ヴェルカに84-85で敗戦。長崎はこれまでのB3のチームにはない強力な戦力を有しているとはいえ、2つカテゴリー下のチームに敗れるのは大きな話題となった。一方で、水曜日にアウェーの群馬でナイトゲームを戦い、中2日で長距離移動が必要な佐賀県唐津に再び遠征。しかもプロでは異例の朝9時半ティップオフという超過密スケジュールでの試合を余儀なくされた面は無視できない。
しかし、伊佐はこう言い切る。「過密日程という事実はありますが、選手たちの身体は動いていました。天皇杯で長崎さんには普通に力負けしました」
だからこそ、この一戦はSR渋谷にとって仕切り直しで「そういった意味で天皇杯の負けからどう学んでいくか、特に今日の試合がキーポイントと話していました」と指揮官も重要視していた。この踏ん張りところの一戦で、SR渋谷は前半に出遅れたが、後半に盛り返して勝ち切った。天皇杯の敗戦を成長の糧とするためにも、今日も勝って同一カード連勝を達成したい。
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