細川一輝

噛み合わない西宮、終盤の川村卓也の連続シュートも実らず

京都ハンナリーズは昨日、佐賀バルーナーズに89-71とすべてのクォーターで上回る手堅い勝利を収めた。今日の相手は前日に群馬クレインサンダーズとの点の取り合いを制した西宮ストークス。昨日に続いて大黒柱のデイヴィッド・サイモンをケガで欠く苦しい布陣となったが、粘り強い戦いで試合を通して主導権を握り、危ない場面がなかったわけではないがリードを守り抜いた。

新加入ながら開幕から攻守に絶好調の鈴木達也の3ポイントシュートで試合はスタートする。序盤こそデクアン・ジョーンズにボールを集めるオフェンスがハマった西宮の先行を許したものの、鈴木がゲームメークだけでなく得点も挙げてオフェンスを引っ張り、前半だけで11得点とサイモン不在の穴を埋める。鈴木がベンチに下がった時間帯も久保田義章がリズムを落とさず、第1クォーターの最後はジェローム・ティルマンの3ポイントシュートに相手ディフェンスの隙を突いてガラ空きのゴール下を決めた細川一輝と、いずれも久保田のアシストで京都が逆転。第2クォーター頭からは鈴木が戻って再びアクセル全開で、45-35と突き放して前半を終えた。

後半、ジョーンズにシャキール・ハインズ、シェイク・ムボジに日本人ビッグマンの中西良太も加わるインサイドの層の厚さを生かして西宮の追い上げを浴び、一時は2点差まで詰め寄られた。それでもここで踏ん張ったのは永吉佑也で、アウトサイドシュートもある西宮の外国籍選手にしっかりとチェックして良いシュートを打たせず、リバウンドで身体を張ってフリースローで得点を繋ぐ。

京都がここで踏ん張ったのに対し、西宮は我慢しきれなかった。猛追しても追い付けず、再び離されたことで焦ってミスが続く。第3クォーター終盤には谷直樹がトラベリングでポゼッションを潰し、直後に細川に走られた場面で後ろから手を出してバスケット・カウントを献上。エネルギーを出しても空回りする西宮のもどかしさを象徴するシーンだった。

最終クォーター残り2分を切って11点ビハインドの場面から、川村卓也がさすがの勝負強さを発揮して2本連続の3ポイントシュートを決めて西宮に追い付くチャンスが生まれたかに見えたが、6点差の残り1分20秒で有効なオフェンスを作ることができず、得点を動かせない。このまま79-73で京都が勝利した。

京都にとってはサイモン不在はあまりにも大きく、連戦の2試合目となれば負担は相当なもの。本来であれば西宮はこのアドバンテージを生かすべきだったが、試合を通して得たフリースローはわずが5本と、インサイドを突く力強いアタックが見られなかった。逆に京都は我慢の時間帯の長かった後半だけに14本のフリースローを獲得して得点を繋ぐ試合巧者ぶりが目立った。

京都は明日、4次ラウンド進出を懸けて秋田ノーザンハピネッツと対戦する。