写真=Getty Images

「ハーデンは『Aサイド』で、やつらは『Bサイド』の選手」

2年連続で優秀守備選手賞を受賞したにもかかわらず、スパーズのカワイ・レナードを過小評価する意見は後を絶たない。チームプレーを重視するスパーズにおいて、引退したティム・ダンカンに代わってエースとなったレナードの実力を、今シーズンからバックスでプレーするベテランのジェイソン・テリーも痛烈に批判している。

ラジオ番組に出演した際、テリーは昨シーズンまでロケッツでチームメートだったジェームズ・ハーデンとレナード、そしてウォリアーズのクレイ・トンプソンを比較。ハーデンを「Aサイド」と高く評価した一方で、レナードとトンプソンについては辛辣な言葉を交え「Bサイド」と酷評した。

「ハーデンは『Aサイド』の選手だよ。『Aサイド』というのは、チームのスーパースターであり、偉大な選手であり、チーム全員にとって頼りになる選手のことで、レブロン・ジェームズ、ハーデン、ラッセル・ウェストブルック、ステファン・カリー、クリス・ポールのような選手のことを指すんだ」

「今度は『Bサイド』の選手について。『Bサイド』は、サポーティングキャストだけれどベンチ選手ではない存在。つまり、カワイ・レナードやクレイ・トンプソンのような選手のことだ」

テリー以外にもレナードの実力を低く見積もる声は少なくない。その理由は、スパーズの繁栄がヘッドコーチのグレッグ・ポポビッチのシステムによりもたらされたと考えられているから。「チームのシステムが優れているから輝いているだけ」という見方だ。

しかし、レナードが名実ともにNBAを代表する選手の一人に成長したことは紛れもない事実。先述の通り2年連続して最優秀守備選手賞に輝いただけではなく、昨シーズンのシーズンMVP投票では、受賞したカリーに次ぐポイントを獲得した。

それでも、テリーの『ディス』にもそれなりの根拠があるはずで、まだまだ批判的な諸先輩方をねじ伏せるだけのパフォーマンスを見せていないと受け止めることもできる。レナードとトンプソンが晴れて『Aサイド』と呼ばれるようになるには、今しばらく時間がかかりそうだ。

昨シーズンも大きく成長し、2年連続優秀守備選手賞を受賞したレナードだが、批判をねじ伏せるにはさらなる活躍が必要か。