ロシター&ギブス

文=丸山素行

ロシター「ファンとの交流はいつも楽しんでいるよ」

先日、一部のソフトバンク店舗がBリーグの各チームの『公認ショップ』となり、選手やマスコット、チアがやって来るイベントが全国各地で開催された。その中でも注目されたのが、栃木ブレックスのライアン・ロシターとジェフ・ギブスのファン対応だ。

ライアン・ロシター&ジェフ・ギブスが見せた『神対応』で栃木イベントは大盛況!

フリースローイベント時、ギブスは簡単にシュートを決められるように自慢の怪力でゴールを下げ、ロシターは子供を抱き上げ『たかいたかいダンク』をアシストした。いずれの行動も自発的に出たもので、ファンを楽しませたいという純粋な気持ちが見て取れる。

「ファンのみんなと交流するのが好きだし、自分は子供がいる父親でもあるから、子供と触れ合える機会を楽しんでいるんだ。自分自身も大きな子供みたいに思ってるしね」とギブスは大きな笑みを見せる。

そうした考えはロシターも一緒。「イベント参加は仕事の一部ではあるけど、日常の中でサインや写真を求められた時も、皆さんとの交流をいつも楽しんでいる。イベントでもプライベートな時間でも変わりなく、交流を楽しんでいるんだ」

ギブス「子供たちにとってスポーツ選手はスペシャルな存在」

ただでさえ背の大きいバスケットボール選手は目立つ。外国籍選手であれば、ましてやブレックス人気の高い栃木ではなおさらだ。ギブスは「家から一歩出たら、最低でも一人にはハイタッチを求められる」と毎日のようにファンとの交流があるという。それでも「全然問題ない、ウェルカムだよ」と嫌な顔をしない。

中には「筋肉を触りたい」という無茶ぶりをしてくるファンもいるそうだが、サービス精神旺盛なギブスはそれにも応える。「筋肉を触らしてほしいと頼まれることもよくあるんだけど、奥さんはちょっと怒っている(笑)。でもファンも気を遣ってくれて、家族がいる時は程よい距離を取ってくれるんだ」と明かす。

「特に子供たちにとってスポーツ選手というのはスペシャルな存在なんだ。もし僕の子供が誰かにサインを求めた時に、そのアスリートにはサインをしてあげてほしいと思う。だから僕だってそうならないといけないだろ?」

ロシターにとって印象深いのは新生児を抱っこするよう頼まれたことだ。「生後3週間くらいじゃないかな。それくらい小さな赤ちゃんを抱っこして、そのまま写真を撮ってくれと頼まれたんだ。赤ちゃんは大泣きして暴れまわっているのに、お母さんは気にしないで写真に集中してて。赤ちゃんが怖がるのも無理はないよね。気を遣ったというか、緊張したよ(笑)」

これはおそらく、力士に抱っこしてもらうと赤ちゃんが元気に育つ、という相撲文化の縁起担ぎから来ているのだろう。ロシターが戸惑うのも無理はない。

栃木の中でも人気の高い2人だが、それはプレーだけが理由ではない。プライベートでも嫌な顔ひとつせず、ファンの要望に応えるこうした素晴らしい対応が2人の人気の秘密なのだ。