車いすバスケ男子日本代表

ガルシアペレイロが圧巻のトリプル・ダブルを記録

東京パラリンピック、車いすバスケ男子日本代表が前回大会で銀メダルを獲得した強豪のスペインと対戦した。

日本の先発は豊島英、赤石竜我、岩井孝義、宮島徹也、藤本怜央の5人。高さの不利を補うため守備的な布陣で挑んだが、シュートチェックに行っても高確率でペイント内の得点を決められてしまい、3-8と先行されてしまう。また、スペインの高さはオフェンス面でも脅威となり、これまでに通っていたパスが通らずにターンオーバーは6-1とミスが目立った。

それでも、エースの藤本が高確率でミドルシュートを沈め、さらに赤石のワンマン速攻が決まるなど、トランジションが機能して追い上げる。途中交代の香西宏昭もいきなり3ポイントシュートを成功させ、藤本のブザービーターが決まり、18-22で第1クォーターを終えた。

第2クォーターに入り、シュートタッチの良い香西がオフェンスの中心となり、素早いパス交換からの見事な連携が決まって、日本は同点に追いつく。しかし、ペイントまで入り込まれてしまい、インサイドの失点を止められずに再び突き放されてしまう。ディフェンスが機能しないことでオフェンスのリズムが悪くなり、日本のシュートはことごとくリングに弾かれた。

4本すべてのフリースローを成功させたスペインに対し、日本は9本中わずか2本の成功と低調に終わり、0-10のランを食らった影響も響いた。アシエル・ガルシアペレイロに前半だけで24得点を許し、30-48と大きなビハインドを背負った。

後半に入り、日本はここまで温存していた鳥海連志をコートに送り出す。すると、鳥海は持ち味のスピードと運動量を発揮し、6-0のランを生み出すなど、試合の流れを一変させる。焦り始めたスペインはファウルが込み始め、開始4分でチームファウルが4に到達。鳥海が開始3分で8得点を決めたところでスペインはタイムアウトを要求した。

鳥海の運動量とスピードでガルシアペレイロのマークをフォローする作戦が効き、一時点差を1桁に戻した日本。しかし、周りを生かすスタイルに変更しアシストを量産したガルシアペレイロを止められず、思うように点差が縮まらない。

最終クォーターに入り、日本はオールコートディフェンスで勝負をかける。8秒バイオレーションを何度も誘発するなどディフェンスは機能したが、インサイドまで攻め込めず、アウトサイドシュートがことごとく決まらない。焦りの見え始めた日本はアンスポーツマンライクファウルをコールされ、チームファウルも早々に5に到達してしまい、フリースローで失点してしまう。

日本は27得点12リバウンド16アシストのトリプル・ダブルを許したガルシアペレイロを最後まで止められず、最終スコア79-61で敗れた。

強豪スペインの壁は高かったが、日本はすでに準々決勝進出を決めている。2位通過を目指し、明日は予選最終戦でトルコと戦う。