デイビオン・ミッチェル

守備を弱点とするチームに「そのカルチャーを自分が変えたい」

2021年のサマーリーグを制したのはキングスだった。優勝決定戦となったセルティックス戦で100-67と圧勝。21得点を挙げたルイス・キングは、2019年にドラフト外でピストンズに加入してNBAデビューを果たしたものの1年で解雇され、キングスの2ウェイ契約となった昨シーズンも出場機会はシーズン終盤の6試合だけとチャンスに飢えていた選手。「新しいメンバー、新しいチームだけど、お互いに信頼し合ってディフェンスからトランジションというバスケができた。勝因はそれに尽きるよ」と語る。

セルティックスでは昨年のドラフト1巡目26位で指名され、昨シーズンは66試合に出場したペイトン・プリチャードが大活躍していたが、キングスは今年のドラフト1巡目9位指名を受けたデイビオン・ミッチェルが、猛烈なプレッシャーディフェンスで6得点と沈黙させた。『猟犬』の守備を見せたミッチェルは、このサマーリーグで大いに評価を高め、ネッツのカム・トーマスとともに大会MVPに選ばれている。

キングスはミッチェルを筆頭に前から激しくプレッシャーを掛け、試合を通じて18ものスティールに成功し、セルティックスから29ものターンオーバーを誘発した。結果、フィールドゴールの試投数は95-59とセルティックスを大きく上回り、完勝へと繋げた。

大学No.1ディフェンダーの能力は上のレベルでも通用する、そう感じさせるミッチェルのパフォーマンスが光るサマーリーグとなった。その彼は「サマーリーグは素晴らしい機会だった。勝ちたい気持ちを持った選手たちが集まったグループで、お互いのことを考えながら勝利のために戦えた。こういうヤツらとプレーしたいと思うチームだったから、優勝できて本当にうれしい」と語る。

「キングスに指名されて、この数年あまりディフェンスの良くないチームだといろんな人から聞かされて、そのカルチャーを自分が変えたいと思うようになった。バスケではディフェンスが勝利をもたらす。その役割を僕がやりたい。サマーリーグでまずそのことを証明したかった。我ながら良い仕事ができたと思うよ」

試合を観戦したトップチームの指揮官ルーク・ウォルトンは、ミッチェルの大活躍に満足気。「これが彼を指名した理由なんだ。彼のプレーとバスケに取り組む姿勢を評価したからこそ、トップ10で彼を指名した」と語る。

ディアロン・フォックスとタイリース・ハリバートンと、今後長くチームを支えるガードを擁しながらサイズの小さいガードを指名したキングスのドラフト戦略には疑問符が投げ掛けられた。しかし、優秀な選手であればポジションが重なっても使いようはいくらでもある。『The Athletic』はフォックスにハリバートン、ミッチェルを並べる3ガードをキングスは採用すると予測している。

ミッチェルのプロフィールには身長189cmと記載されているが、サマーリーグで彼を見た多くの人が実際は185cmもないのではないかと証言している。身長に対してウイングスパンが長いタイプでもなく、サイズではなくフットワークと競争心で勝負するタイプだ。NBAが開幕すれば、サマーリーグとは全く別の選手を相手にすることになる。3ガードで彼が先発すればエースキラーの役割を任されるのは間違いなく、各チームのエース級とマッチアップが待ち構えている。まだまだ成功が約束されたわけではないが、楽しみは大いに広がった。