女子日本代表

文=鈴木健一郎 写真=小永吉陽子

高さもスピードもある中国を相手に粘るも及ばず

ジャカルタ(インドネシア)で開催中のアジア競技大会、女子バスケットボールの準決勝が行われた。薮内夏美ヘッドコーチ率いる日本代表は中国と対戦。勝てばメダルが確定する試合だったが74-86と敗れ、3位決定戦に回ることになった。

トム・ホーバスが率いるA代表は来月のワールドカップに向けた準備のため、このアジア競技大会には若手中心のBチームが参戦。一方の中国はAチームのエースであるシャオ・ティンを擁するなどキャリアで上回った。それでも若き日本は押されながらも第1クォーターを3点ビハインド、第2クォーターを終えて10点ビハインドと食らい付く。

センターの梅沢カディシャ樹奈がサイズのある中国に対しポストのディフェンスで奮闘。ダブルチームも積極的に仕掛けて、終始ビハインドを背負う展開ながらも粘りの戦いを見せる。

だが、差が付いたのは後半の出足。中国が高さに頼らず、スピードのあるガードやフォワードがドライブで日本の守備を切り崩しにかかると、受け身に回った日本にミスが目立つように。林咲希、篠崎澪が素早い展開から3ポイントシュートを決めるが、それ以上のペースで中国の得点が伸び、第3クォーターを終えて54-71と点差が開いた。

最終クォーター、20点前後のビハインドを背負いながらもあきらめない日本は、運動量をさらに増やして反撃を図る。前から強いプレッシャーを与え、速攻も飛び出してようやく流れを呼び込むが、篠崎がこの試合3本目の3ポイントシュートを決めて12点差に詰め寄ったところで残り1分20秒と時間が足りず。最終スコア74-86で敗れた。

予選プールでは73-105と大敗した中国を相手に今回は粘りを見せたが、常にビハインドを背負う展開であり、スコアだけでなく内容でも相手に主導権を握られた。

チームを引っ張った篠崎は両チーム最多の17得点。それでもチームとしては2点シュートが44本中12本成功の27%と確率が悪く(中国は64%)、課題のリバウンドもディフェンスリバウンドは16-32と倍の差が付いた。オフェンスリバウンドでは12-6と上回ったが、これはシュートを外しすぎた結果。厳しい内容ではあったが、若い選手たちがこれを糧として、次に中国と対戦する機会では別の結果を出してくれることを期待したい。