ヒート移籍を決断したカイル・ラウリー、優勝への思い「ベストプレーヤーを疲弊させずにプレーオフまで走り抜く」

ヒート移籍を決断したカイル・ラウリー、優勝への思い「ベストプレーヤーを疲弊させずにプレーオフまで走り抜く」

2021/08/15 12:00
カイル・ラウリー

「フリーエージェントの権利は、実際にはとんでもないストレスだった」

カイル・ラウリーは9シーズン在籍したラプターズを離れてヒートへと移籍した。3年約9000万ドル(約98億円)の契約を結んだ上でのサイン&トレードで、35歳になった彼にとっては最後の大型契約であり、ほぼ最後の挑戦となる。

フリーエージェントに大物が少ない今オフ、移籍先の候補は多数あった。ヒート以外にもセブンティシクサーズ、ニックス、レイカーズが彼の獲得に熱心だったと言われている。ヒートの選手として初めての会見に応じたラウリーは「キャップスペースに余裕があり、成長する可能性のあるチームの中から、自分にとってのベストを選んだ」と自分の選択を振り返る。それと同時に、移籍することが大きなストレスだったことも明かした。

「マサイ(ウジリ球団社長)とはお互いに本音で、長い長い話し合いをした。実際のところ、ラプターズが向かう方向性は理解していたし、フレディ(フレッド・バンブリート)、パスカル(シアカム)、OG(アヌノビー)がいて、チームには今後に繋がる良いコアがある。若手に多くのチャンスを与えることが、このチームには必要だ。同時に僕にとっては、新しいことにチャレンジする良い機会だと思った」

「でも、正直に言えば大変だった。オンコートでもオフコートでも常に自分を上へ上へと押し上げ、成功をつかもうとしてきた結果としてフリーエージェントの権利を得て、みんなはそれを素晴らしいことだと思っているだろうけど、実際はとんでもないストレスだよ。自分が次に踏み出す一歩を決めるのは大変なことだ。ずっとこの組織のためにと頑張ってきたのに、離れる決断をしなきゃならない。家族のために新しい家を探し、子供の新しい学校をみつける。神経が磨り減る作業だよ。それでも、自分の人生のために最善と思える選択をしたつもりだ」

オンラインで行われた会見では、トロントとマイアミから多くのメディアが参加したが、トロントのメディアはラプターズでのこれまでを振り返る質問を、マイアミのメディアはヒートでの今後についての質問を投げ掛けた。ラウリーはリラックスした表情で、それらの質問に丁寧に答えていく。

ヒートの今後については「良い選手は揃っているけど、ハードワークは欠かせない」と語る。「大事なのは『オレたちはできる』と信じること。そう信じられる根拠を作り上げることだ。つまり、有望そうではあるけれど、みんなで一緒に道を見いだしていくしかない。結局のところ、これから自分たちでやらなきゃいけない」

今回の移籍を決断する上で大きな役割を果たしたのはジミー・バトラーだ。「僕らはこれまでオリンピックでしか一緒にプレーしたことはないけど、同じチームになったらどうなるだろう、という話はずっとしていた。ただ、彼は友人として僕の決定そのものには関与していない。いろいろサポートはしてくれたけど、決断は僕に任せてくれた」

2人はただ気が合うだけでなく、ラウリーはバトラーの娘の名付け親でもある。「ジミーから電話があって娘の名付け親になってくれと頼まれた。『本気かい?』と答えたけど、彼の娘の人生にかかわるのは誇らしい気持ちだった。実際、僕とジミーの関係を作る上で大事な要素だ」とラウリーはそのエピソードを明かすとともに、「バスケへの愛情とハードワークという点で僕らは共通していると思う。勝ちたい気持ちがどれだけ強いか、勝つためのアプローチの考え方も似ている」と、バトラーとの友情を語った。

バトラーにバム・アデバヨ、ダンカン・ロビンソンにタイラー・ヒーローと主力のほとんどを残し、ラウリーとPJ・タッカーという頼りになるベテランを加えたヒートは、NBAファイナルに進んだ一昨シーズンの再現を狙うとともに、その時に取り逃したNBA優勝を手にするつもりだ。ラウリーが加わることでヒートにはどんな変化があるだろうか。彼は持論をこう語っている。

「ジミーやバムからボール運びの負担を減らす。彼らは何でもできる選手だけど、より得意なプレーに集中させたい。ジミーにハンドラーをやらせたくないって意味じゃなく、僕がオフボールでプレーすることもあるだろうけど、ハードワークが大事だからと無理なプレーをしていてはダメだ。僕はポイントガードとして、どの選手にもより効率の良いプレー、より得意なプレーをさせたい」

それが彼にとっての優勝へのアプローチだ。「必要に応じてエネルギーを残しておく。僕らの戦いは長い長いマラソンのようなものだ。長いシーズンの中でアップダウンは必ずある。そこでチームのベストプレーヤーを疲弊させずにプレーオフまで走り抜くんだ」

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