デマー・デローザン

有言実行の積極補強に乗り出したブルズ

ブルズはここ3シーズン連続で30勝を下回り低迷期が続いている。それでも、昨シーズン途中にはマジックからオールスターのニコラ・ブーチェビッチを、セルティックスからもダニエル・タイスをトレードで獲得し、プレーオフ争いに絡める布陣を整えた。

レギュラーシーズン終了後、球団運営部代表のアルトゥラス・カルニショバスは「タレントをロスターに加える。そして成長して戻ってくる。もうポストシーズンを座って見ている状態にはしない」と語っていたが、実際に行動に移した。

ブルズはロンゾ・ボールとアレックス・カルーソを獲得。課題を克服し、シュート精度を上げたボールは昨シーズンに平均14.6得点、3ポイントシュート成功率37.8%とキャリア最高の数字を残し、ポテンシャルの高さを証明したポイントガード。カルーソは高いバスケIQを駆使しつつ、泥仕事もいとわない献身的なプレーでレイカーズには欠かせないベンチメンバーの地位を確立した。

2人の加入だけでも、大きな戦力アップだが、ブルズはさらにデマー・デローザンをもロスターに加えることに成功した。デローザンはキャリア12年の平均得点が20を超え、スパーズに在籍した昨シーズンも21.6得点を記録するなど、スコアラーとしての力は全く錆びついていない。デローザンはザック・ラビーンとブーチェビッチというオールスターデュオの名前を挙げつつ、「才能あるチーム」とブルズを称した。

「フランチャイズの歴史は素晴らしいし、間違いなく才能があるチームだ。ザックは彼が入団した時からのファンなんだ。大学時代のチームメートだったブーチェビッチもいるし、チーム全体を見ても素晴らしいよ」

タデウス・ヤングやトーマス・サトランスキー、ギャレット・テンプルといったロールプレーヤーを失ったことは痛手ではある。それでも、デローザンを含めた『オールスタートリオ』を形成し、将来性のあるボールと安定感のあるカルーソが加わったブルズは、飛躍が期待できるチームとなった。