ドレイモンド・グリーン

バスケット王国アメリカの威信を取り戻せるか?

今シーズンのNBAはバックスが4勝2敗でサンズを下し、50年ぶりの優勝を果たした。そして、激戦を終えたのも束の間、東京オリンピック出場を表明していたクリス・ミドルトンとドリュー・ホリデー、デビン・ブッカーの3人がアメリカ代表に合流した。

ブッカーはフェニックスから、ミドルトンとホリデーは優勝パレードから1日も経たないうちにミルウォーキーから飛行機に乗り込み、シアトル空港で合流し、東京行きのプライベートジェットに乗り込んだ。チームが滞在するホテルに到着したのは、昨夜の日付が変わった後。ポストシーズンを終えたばかりという過密日程は、精神的にも肉体的にも3人にダメージを与える。だからこそ、チームメートのドレイモンド・グリーンは「彼らはやると約束しただけでなく、実際にその約束を守った。とても尊敬している」と、彼らをリスペクトした。

すべてのアスリートにとってオリンピックはあこがれの舞台であり、国を背負って戦うことは非常に名誉なことだ。それでも、NBAファイナルを終えたばかりという稀に見る過密日程によって、代表を辞退するという選択肢が頭をよぎってもおかしくないとグリーンは言う。

「デビン・ブッカーが『負けた、腹が立つ、俺は抜ける』と言ったり、クリス・ミドルトンやドリュー・ホリデーが『優勝したんだから、家族と一緒に家でお祝いしたいから東京には行かない』と言ったりすることもあり得たはず。彼らがここに来た目的は互いに競争して金メダルを獲得すること。僕らも役割を確実に果たすことが求められている」

アメリカ代表は本日21時に初戦のフランス戦を迎えるが、フランスは2019年のワールドカップ準々決勝で敗れた因縁の相手だ。アメリカはその後の順位決定戦でポーランドにも敗れ、ワールドカップ7位という低調な成績に終わった。グリーンはバスケット大国アメリカの威信を取り戻すターニングポイントになると位置づけている。

「負けるのは嫌だけど、あの2つの負けは僕らの助けになった。少しも傷つかなかったんだ。でも、何年にもわたって人々の心の中にあった恐怖心が少しなくなったかもしれない。自分のやるべきことをやり遂げれば、それを取り戻すことができるんだ」

連携やコンディションに問題を抱えてはいるだろうが、『ファイナル組』の合流はアメリカ代表のチーム力をさらに底上げするはず。フランス戦はアメリカの現在地を知る大事な一戦となる。