佐古ヘッドコーチ「考えすぎてしまった感がありました」
U19ワールドカップ初戦、日本代表は71-76でセネガル代表に競り負けて黒星スタートとなった。敗因はビッグマンのイボウ・ディアンコ・バジを中心とした相手の高さと身体能力に圧倒され、ペイントエリア内で沈黙させられたことだ。。
バジは欧州屈指の名門であるバルセロナに在籍。2020-21シーズンは2ndチームでスペイン3部リーグを主戦場とするも、わずかな出場時間だがユーロリーグデビューを果たしている214cmに7ブロックを献上した。今年のNBAドラフト候補生としても名前が挙がっている逸材を中心としたセネガルのインサイド陣には『世界の壁』の高さを痛感させられた。
日本代表は12名のうち、183cmのハーパー・ローレンスJrと岩下准平以外は全員が190cm以上(ただ、ハーパーはウイングスパンが190cm以上)と、U19世代では歴代随一のサイズを持っている。ただ、世界も日本と同じように大型化しており、高さで劣勢となるのは変わらないことが浮き彫りとなった。
致し方ないことだが、新型コロナウィルス感染対策で対外試合を全くできなかったことによるゲーム勘の欠如からミスも出た。佐古賢一ヘッドコーチは、その点についてこう語る。「硬さはかなりあり、あと自分たちが用意してきたものについて、ちょっと考えすぎてしまった感がありました」。高さ対策については「とにかくコンタクトで負けないことです。早めに高い位置からコンタクトを取りに行きましたが、そこで上手くいきませんでした」と続けている。
一方、司令塔としてチームを牽引したハーパーは、「良いプレーはできましたが、第3クォーター、第4クォーターとターンオーバーが多かったです」と後半のミスを悔やんだ。また、自身のパフォーマンスについて「ガードとしてチームを勝利に導くことができなかったので、良い出来ではなかったです。次の試合ではパスをもっとさばいてアシストを生み出していきたい」と巻き返しを誓う。
本日の第2戦、相手は欧州の強豪リトアニアを80-71で下したカナダだ。チームの中心選手は今秋からNCAAの名門ミシガン大に在学する205cmのカレブ・ヒュースタン、同じくNCAAの名門パデュー大でプレーする220cmのザック・イーデイで、リトアニア戦でヒュースタンは18得点5リバウンド、イーデイは12得点16リバウンドを挙げている。
日本は引き続きサイズでの不利は否めず、勝つためにはまず平面の激しいディフェンスで相手のリズムを崩していくことが必要だ。その上で佐古ヘッドコーチが「まずは自分たちの硬さがとれたので、ディフェンスからしっかりトランジションができるように心掛けさせたい」と言うように、日本らしい堅守速攻の機会をどれだけ作り出せるかがカギとなる。