安藤周人

「自分ができることを精一杯やって、それが結果に繋がれば」

バスケットボール男子日本代表は今週、イラン代表と3試合を行う。昨日行われた初戦はすべてのクォーターで日本が上回り、85-57での快勝を収めた。

東京オリンピックに向けたチーム作りを進める一方で、選手にとってはオリンピックの選手選考も兼ねた勝負の場だ。昨日のイラン戦でも各選手が積極的なプレーでアピールをしていたが、その中でも一際存在感を放ったのが安藤周人だ。

フリオ・ラマスヘッドコーチが「今日はたくさんの選手が良いアピールができた。その中でも周人や比江島(慎)、金丸(晃輔)が良い活躍をしていた」と名前を挙げたように、安藤は21分54秒の出場で3ポイントシュート4本成功を含む16得点と4リバウンド1アシストを記録した。

第1クォーターの中盤にコートに送り出されると、安藤誓哉のディフェンスリバウンドからのボールプッシュに合わせて走り、3ポイントシュートを成功させてチームに勢いを与えた。その後も、前が空けば迷うことなくシュートを放っていき、3ポイントシュート試投数はチーム最多の7本となった。

安藤周人

「今日良かったからといって満足するのではなく、反省して次に挑みたい」

このような積極的なプレーができた要因は、先週フィリピンで行われた『アジアカップ予選2021』の反省があるからだ。アジアカップ予選では中国との2試合に出場し、第1戦では先発を務めて21分51秒の出場で6得点、2戦目はベンチから15分33秒出場して3得点に留まった。

「アジアカップ予選を振り返ると、プレー自体に迷いがあって何をしたら良いかが明確にできていなかった」と安藤は言う。「僕自身、アジアカップ予選では無駄な時間を過ごしてしまったと思うので、このイラン戦が最後のチャンスだと自分では思っていました。まずはロスターに入って、自分ができることをしっかりやる。今日みたいに積極的なディフェンスをしたり、積極的にもっともっとシュートを打ってアピールしないといけません」

「まだまだどうなるかは分かりませんが、自分ができることを精一杯やって、それが結果に繋がればと思います。今日良かったからといって満足するのではなく、しっかり反省して次の試合に挑みたいです」

母国開催のオリンピックに出場できるチャンスは一生に一度あるかないかだ。安藤は「もう絶対にないチャンスだと思うので、なんとしても残らないといけない」と東京オリンピックへの思いを語った。熾烈なメンバー争いはまだまだ続くが、自身のプレーを取り戻した安藤の挑戦に注目したい。