血栓症と「うまく付き合う」プロアスリートは存在する
ここ2年続けて血栓症にかかったヒートのクリス・ボッシュが、今月末からスタートするチームのトレーニングキャンプ参加について「準備はできている」と語った。
『Uninterrupted』のポッドキャスト番組に出演したボッシュは、オフに滞在するロサンゼルスで、今もコンディション維持のため練習を続けていることを明かした。医師から出場の許可が出たかどうかは明らかになっていないが、ヒートは新シーズン開幕後のどこかのタイミングでボッシュに出場の許可を与えると見られている。
昨シーズン終盤、ボッシュはチームに対し、血液希釈剤投与の治療を受けた後、体内から薬の成分が抜ける8時間後のプレーを認めてほしいと打診したが、クラブ側はフィジカルコンタクトの多いNBAの試合で出血した場合、止血できずに大事になることを懸念して許可を与えなかった。
血栓症と戦いながらも現役を続けるプロアスリートはボッシュだけではない。同じく血栓症と診断されたNHLプレーヤーのトマス・フライシュマンは、血液が固まるのを防ぐ抗凝血剤を試合後に投与しながら今も現役を続けている。薬の成分は次の試合までには体外に排出されるため、問題ないとの認識だ。ポッドキャスト番組内で、ボッシュはフライシュマンから専門医を紹介されたことを明かしている。
「彼も同じ問題を抱えていた」とボッシュは言う。「もう5、6年前の話だけど、それでも彼は今もプレーし続けている。今お世話になっている医師は、他のアスリートにも同じ治療を施していて、僕が初のケースではないんだ。何も根底から覆すような革新的な治療ではない。基本的なことさ。治療を受けながらプレーできることは証明済みなんだ」
それでも最終的な判断は所属先であるヒート、あるいはNBA選手協会が下すことになる。2015年2月に最初の血栓症を患ったボッシュは、2015-16シーズン開幕から復帰。2度目の血栓症と診断されるまでに平均19.1得点を記録し、オールスターレベルの実力をキープしていることを証明した。ドゥエイン・ウェイドが退団した今、ヒートにとっては大きな戦力だけに、クラブも本当は彼の復帰を願っているはずだ。