ヤニス・アデトクンボ

デュラントとの点の取り合いを制すも「僕の得点はどうだっていい」

ハムストリングを痛めたジェームズ・ハーデンがいまだ復帰の目途が立たないネッツに対し、バックスの『ビッグ3』が本領を発揮。ケビン・デュラントの42得点を上回る49得点を挙げたヤニス・アデトクンボに加えて、クリス・ミドルトンが26得点11リバウンド6アシスト、ドリュー・ホリデーが18得点を挙げてネッツに競り勝った。

第1クォーターにネッツが2桁のリードを奪ったものの、その後はほとんど差が開かずに試合は進み、第4クォーター開始時点で90-90の同点。デュラントとカイリー・アービングがベンチで休んでいる間にブレイク・グリフィンとランドリー・シャメットが連続で3ポイントシュートを沈めたネッツが6点のリードを奪ったが、ミドルトンがすぐさま6連続得点で追い付く。デュラントとアービングが戻った後の約3分間、バックスはディフェンスで隙を見せずにアデトクンボにボールを集めて10-3のランでリードを奪った。

7点は決してセーフティリードではないが、プレーオフの雰囲気が漂う強豪同士の対戦での終盤には重みがある点差だった。アデトクンボとデュラントのオフェンス力比べという展開の中、バックスはミドルトンのフローター、ホリデーのお膳立てからのパット・カナートンの3ポイントシュートと、アデトクンボ以外の効果的なプレーも決まってリードを保つ。そして残り1分12秒、インサイドに突っかけたアデトクンボがスピンムーブからピボットで体勢を変え、グリフィンとヘルプに来たジョー・ハリスを一気にかわしてレイアップに持ち込むビッグプレーを見せた。

最後はデュラントが決めれば同点の3ポイントシュートを狙うも、PJ・タッカーが一瞬遅れながらもファウルを避けつつシュートチェックの手を伸ばす。このシュートがリムに弾かれ、ミドルトンがリバウンドを押さえたところで試合終了。117-114でバックスが勝利した。

接戦ではあったが、ミドルトンは「ほとんどの時間帯で試合をコントロールしていたのは僕たちだ」と、穏やかな口調ではあるがプライドを見せた。「KD(デュラント)には42点もやられたけど、ほぼすべてのシュートにコンテストに行っていたから、できることはやったと思う。それに僕らにはヤニスがいる。僕は彼にできるだけ良い形でボールを持たせて、楽にプレーさせることを考えた。彼は実力があるし、スマートなプレーもできる。彼が1対1に持ち込んだら、あとは信頼して見ていればいい」

そのアデトクンボも、今日のパフォーマンスで自分自身とチームへの自信を深めた。「今日のパフォーマンスは、僕が将来こうなりたいと思う姿だったように思う。自分が49得点を取ることは重要じゃない。むしろ、どうだっていいことだ。僕が気にしているのは、どうやってペースを調整し、チームメートと連携するか。1本目を外しても、2本目を外しても、3本目を外しても、またシュートを打つ。それが僕にできることだと思っているんだ」

とはいえ今日のアデトクンボはフィールドゴール36本中21本成功と、最も警戒されていたにもかかわらず高確率でシュートを決めている。1試合で3ポイントシュートを8本打ったのは今シーズン最多タイ、4本を決めたのは最多だ。その精度に問われたアデトクンボは笑顔とともに「かなり練習しているからね」と答えている。

中1日を置いて両者は再び対戦する。ミドルトンは「いつも通り、明日は映像をチェックするけど、よりフィジカルな激しい戦いになると覚悟しておかなきゃならない」と語る。アデトクンボは「KDにカイリー、ジェフ・グリーンとすごい選手ばかりだ。戦うにはディフェンスでは仲間を信頼し、オフェンスではやるべきことをしっかり遂行しなきゃね。でも、成長のためにはそんなチームと対戦するのが一番だ」と、ネッツとの再戦を歓迎している。

ここでもバックスが勝つようだと、3位のバックスが2位ネッツに1.5ゲーム差と肉薄する。首位のセブンティシクサーズはそのすぐ上で、東カンファレンスの『3強』による順位争いはレギュラーシーズンの最後まで白熱しそうだ。