PJ・ドジアー

ヨキッチを称賛「NFLにも彼より優れたクォーターバックはいない」

膝を痛めて今シーズン絶望となったジャマール・マレーに続いてウィル・バートンもハムストリング痛でしばらくは戦線離脱することになり、モンテ・モリスも欠場。それでもナゲッツはチーム一丸の素晴らしいパフォーマンスでロケッツに快勝した。

ロケッツは今シーズンのNBAで最も勝てていないチームで、ケガ人続出で7人で戦う状況ではあったが、そんな相手の不利を差し引いても、ナゲッツのパフォーマンスは輝いていた。前日に敵地でのウォリアーズ戦を終えて、すぐにデンバーに戻って昼間の早い時間帯にロケッツと戦うスケジュールだったのだが、そのマイナスを全く感じさせなかった。

このチームを常に引っ張る大黒柱はニコラ・ヨキッチで、この試合でも24得点8リバウンド12アシストと『ほぼトリプル・ダブル』のスタッツを残した。トリプル・ダブルに達しなかった理由はオフェンスリバウンドが1つもなかったことで、それはチームメートが高確率でシュートを決め続けたため、オフェンスリバウンドを取る機会そのものが少なかったからだ。

ヨキッチ自身もフィールドゴール14本中10本成功と高確率だったが、それ以上のインパクトを残したのは、マレーが抜けたことでの得点力ダウンをカバーする期待を寄せられるマイケル・ポーターJr.だ。フィールドゴール21本中13本成功、特に3ポイントシュートは12本中8本を決めた。39得点はキャリアハイの数字だ。

そしてキャリア初先発に抜擢されたPJ・ドジアーは、フィールドゴール13本中10本を決めて23得点を挙げている。24歳のドジアーは、昨シーズンの『バブル』でチームがケガ人続出だった時期にチャンスを与えられてブレイクしたが、プレーオフでは経験不足と見なされ活躍の機会を与えられず。今シーズンも起用法が安定せずに、なかなか自分の実力を出せなかった。

「自分のやるべきプレーを試合前にちゃんと確認して、あとは自分らしくプレーすること、特にオフェンス面でチームに欠けているエネルギーを僕がもたらそうと考えていた。持てる力のすべてを出そうとしたよ。最初のシュートが決まってくれたおかげで良いリズムをつかむことができた。自分にチャンスが来た時は自信を持ってシュートを打とうと思っていた」とドジアーは言う。

ファクンド・カンパッソのキャリアハイとなる13アシストを含めて多くのハイライトプレーがあったが、極めつけは失点した直後に前へと疾走するドジアーにヨキッチがタッチダウンパスを通したシーンだ。ドジアーは「タッチダウンのパスが来ると信じて疑わなかったよ。NFLを含めても彼より優れたクォーターバックはいないからね」と笑顔で振り返る。

ここに来てドジアーが活躍し始めたのは、マレーとモリスの欠場でプレータイムが巡って来たことが第一だが、彼自身がチャンスを生かすだけの力を着けていたことが大きい。「自分の能力をチームのスタイルに合わせることができるようになってきたと感じる」とドジアーは言う。

「例えばペリメーターシュートはこのチームに来てから身に着けたもので、ニコラと一緒にプレーするこのチームで生きるスキルだと思って練習してきた。良いポジションにいれば彼は必ず見てくれる。じゃあそこでどんなプレーができればチームの役に立つのかを考えたんだ。それに限らず、チームが必要にするものなら何でも僕が提供できるようになりたいと思っている」

24歳のドジアー、22歳のポーターJr.は試合を重ねるごとに新たな学びを得て、結果を出すごとに自信を深めていく。ここからプレーオフまでの短い期間にも、まだまだステップアップできるはずだ。