「体力面、試合勘で多少のブランクを感じることはあります」
千葉ジェッツは4月17日、18日と敵地で川崎ブレイブサンダースとの上位対決に臨んだが、2試合ともに惜敗した。新型コロナウィルスの陽性反応者が出たことで約3週間のブランクを経てのリーグ戦復帰後、14日のサンロッカーズ渋谷戦と合わせ、これで3連敗となってしまった。
ただ、SR渋谷戦も僅差での敗北であり、長い活動休止によるフィジカルコンディション、ゲーム勘の低下が否めないことを考慮すると、内容については悲観すべきものではない。
特にエースの富樫勇樹は、14日に15得点8アシスト、17日に20得点7アシストを記録。そして73-80で敗れた18日も、16得点6アシスト3リバウンド4スティールと攻守に渡って活躍した。
第4クォーター残り4分半に辻直人のパスをスティールし、スイッチによって生まれたニック・ファージカスとの1対1から3ポイントシュートを射抜いた場面。続くディフェンスでドライブしたファジーカスからボールを奪い、ギャビン・エドワーズのシューティングファウル獲得へと繋いだシーンは圧巻のパフォーマンスだった。
「結果は大事ですので、3連敗はしっかり受け止めないといけないですが、内容的に酷いものではない。もっとシーズン中にひどいものがあったので焦る必要はないです。ただ、勝つことで良いリズムに乗ることはありますし、負け慣れてはいけないです」
こう富樫は、ブランク明け最初の1週間の激闘を振り返る。そして、「離されても追いつくことはできましたが、自分たちが少し点差をつけた時にそこを踏ん張れなかったです」と語り、課題としてオフェンスの重たさを挙げた。「チームとしてまだボールを回せていない。そこの修正であり、共通の意識はまだ足りないです」
また、3試合とも終盤で失速してしまった点には、「体力面、試合勘で多少のブランクを感じることはありますし、他の選手もおそらくそうだと思います」と富樫も認める。ただ、一方で「それでも、これを言い訳にできないです」と言い切った。
逆転の発想「9試合準備する機会がある」
今回の連敗によって東地区の優勝は宇都宮ブレックスとなり、チャンピオンシップのクォータファイナルでホーム開催となる東地区2位の座も、3位の川崎に対し勝率でわずか4厘上回るだけとなった。
さらに、これから千葉は3週連続で週3日で試合を行う、タフなスケジュールが予定されている。特に5月は5日にアウェーで琉球ゴールデンキングスと対戦した後、8日に再びアウェーで秋田ノーザンハピネッツと戦う。さらに中1日でホームのSR渋谷戦と過酷だ。
試合で生まれた課題を修正するため、強度の高い練習をこなすことも困難な日程が続くが、富樫に悲壮感はない。「試合を積み重ねて、チャンピオンシップまでにしっかりチームとして戦い抜けるように持っていかなければいけないです。残りの9試合をしっかり戦っていく。逆に言うと、9試合準備する機会があるとプラスにとらえ、チャンピオンシップに向けチームとして望みたいです」
これからの千葉はどこよりも厳しいスケジュールが待ち構えている。ただ、富樫が語るように、ゲーム勘を取り戻すためには申し分ない環境でもある。この困難を乗り越え地区2位を死守できた時、チームは1段階上のレベルへとステップアップしているはずだ。