外国籍選手にマークが集中する状況、11本のフリースローを獲得
4月3日、サンロッカーズ渋谷は琉球ゴールデンキングスとの初戦を96-85で制した。現在はチャンピオンシップ出場権を巡る過酷な争いの真っ只中で、一つも落とせない追い込まれた状況にいるとの危機感をチーム全員が共有している。それだけに、西地区首位の難敵に先勝できたのは大きい。
この貴重な勝利の立役者となったのがベテランの広瀬健太だ。11得点4リバウンド3アシスト3スティール1ブロックと、文字通り攻守に渡って躍動し、チームに大きな勢いを与えた。
「僕らは崖っぷちで一つも落とせない状況です。前半、フィジカルに来られて自分たちらしさが出せなかったですが、後半は自分たちの方がフィジカルにプレーできました。相手のオフェンスリバウンドが強い(ジャック)クーリー選手をCJ(チャールズ・ジャクソン)とマック(ジェームズ・マイケル・マカドゥ)を中心にしっかり抑えるなど、後半は特にやるべきことができたと思います」
こう広瀬は勝因を語るが、この試合で最もフィジカルで、最も激しいプレーを見せていたのは他ならぬ彼自身だ。それを象徴するのがフリースローの本数で、この試合のSR渋谷はインサイドアタックを繰り返し、43本も獲得した。その中でチームトップはケリー、ジャクソンと得点源となる外国籍選手ではなく、「相手が僕たちの外国籍選手にずっとくっついてマークしていて、なかなかヘルプに来ないところもあったので、そこで日本人選手がアタックできればと思っていました」と振り返る広瀬の11本である。
本人としては、守備にフォーカスして臨んだ一戦だった。「前節が少し自分として満足いく出来ではなく、集中できていない部分がありました。今日はディフェンスを大事にして、プレッシャーをしっかり掛けることができました」
「スティールはチームディフェンスの結果」と謙遜するが、ボールプッシュする選手に1対1での密着マークから奪うなど、広瀬の個の強さと巧みな読みは随所で光った。
ちなみに第4クォーター、残り2分半、広瀬はゴール下へのドライブをねじこみリードを12点に広げるダメ押しのバスケット・カウントを決め、普段は冷静沈着な彼らしからぬ、ステフィン・カリーのようなマッスルポーズを披露。その理由を次のように明かす。
「(3月下旬の)新潟戦で渡辺竜之佑が力強いプレーをした時にやっていたので、それを真似しました。自分も機会があったらと狙っていました。竜之佑はやった後に恥ずかしいと言っていましたが、確かに照れ臭かったです」
今日も勝ってこの週末を連勝で終えることができたら、SR渋谷にとってはチャンピオンシップ出場へ大きな前進となる。そのためには前日のリベンジへより強い気持ちで出だしから来る琉球にメンタル、フィジカルの両方で負けないことがまずは重要だ。広瀬が恥ずかしさを忘れてマッスルポーズを見せるような展開になれば、自然とSR渋谷の求める結果がついてくるはずだ。
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