京都ハンナリーズ

トランジションオフェンスが機能した京都が先行

名古屋ダイヤモンドドルフィンズvs京都ハンナリーズの第2戦は終盤のオフェンスの精度で上回った京都が86-77で勝利し、初戦の雪辱を果たした。

序盤はデザインプレーからしっかりと形を作り、3ポイントシュートを8本中4本と高確率で沈めた名古屋Dがわずかに先行した。しかし、デイヴィッド・サイモンを中心に得点を重ね、トランジションオフェンスが機能した京都が逆転に成功する。京都は手をしっかり伸ばし、パスアウトのボールに手を引っかけることでターンオーバーを何度も誘発。そこから走る展開に持ち込んだことで一気に流れをつかんだ。

アウトナンバーから松井啓十郎が3ポイントシュートを確実に沈め、永吉佑也のブロックショットからレイヴォンテ・ライスの3ポイントシュートに繋げるビッグプレーも飛び出す。ターンオーバーからの得点と速攻の得点がともに13と、攻守が噛み合った京都が45-39とリードして前半を折り返した。

後半に入ると、ジャスティン・バーレルとレオ・ライオンズを強調する名古屋Dに逆転を許し、そこから一進一退の攻防が続く。このクォーターだけで10得点を固めたレイヴォンテ・ライスのブザービーターにより、京都が1点をリードし最終クォーターへ。1、2ポゼッション差で試合は推移していたが、オフェンスが機能した京都は松井とジャスティン・ハーパーの3ポイントシュートが決まり、久しぶりに3ポゼッション差を超えるリードを獲得。さらに松井がオフェンスリバウンドに飛び込み、ゴール下を決めるビッグプレーも生まれ、京都が11点差にしたところでオフィシャルタイムアウトを迎えた。

京都ハンナリーズ

「松井選手に痛いところで決められてしまった」

ライオンズが24秒バイオレーションギリギリのところで3ポイントシュートを沈め、狩野祐介も3ポイントシュートで続き、名古屋Dは逆転の望みを繋げた。しかし、京都はサイモンとライスの強引なアタックでリードを保った。そして残り59秒、ライスが安藤周人とのマッチアップを制し、6点差としたところで勝負アリとなった。

京都はサイモンがゲームハイの29得点を挙げ、ライスが24得点、松井が20得点を記録と、3選手が20得点を超えた。特に松井はスクリーンを巧みに使い、オープンになったシュートをほとんど沈め、ここぞという場面での正確なシュート力が光った。名古屋Dの梶山信吾ヘッドコーチも「松井選手をフリーしてしまうシーンが多く、ドライブやオフェンスリバウンドも許した。痛いところで決められてしまった」と松井を抑えられなかったことを敗因に挙げた。

勝利した京都の小川伸也ヘッドコーチは追撃されても焦らずに最後までプレーできたことを勝因に挙げた。「名古屋さんはタレントが揃っていて、10点リードしたくらいでは追いつかれると理解していました。そこで焦らずに戦えたことが、一つ大きな要因です。戦術は変えずにマッチアップを変えましたが、そこを抑えてくれてディフェンスで踏ん張れました」

京都は過去3度名古屋Dと対戦し、そのすべてに4点差以内で敗れてきた。そのため小川ヘッドコーチも「3連敗していて、最後にどうしても勝ちたいという中で勝てて良かった」と語ったが、「何よりも選手たちが気持ちを前面に出して、身体を張って戦ってくれたことが勝ち負けよりも大きなモノでした」と、選手の姿勢を高く評価した。