ザイオン・ウイリアムソン

「試合に勝つこと、そうしたら次の試合のことを考える」

ペリカンズとグリズリーズの一戦は、2019年のドラフト全体1位のザイオン・ウイリアムソン、2位のジャ・モラントの一騎打ちとなった。結果は144-113、勝ったのはザイオンとペリカンズだ。

このところペリカンズはオフェンスが好調で、100ポゼッションあたりの得点でリーグ7位まで浮上している。ザイオンが『ポイントフォワード』としてゲームメークを担うようになり、相手への脅威はさらに大きくなった。ザイオンがボールを持ってアタックすると、グリズリーズはヘルプを送り込むのだが、ザイオンは自分でシュートまで持っていくか、空いている選手を見つけてパスを出すかの判断が良く、グリズリーズのディフェンスを散々に振り回した。ザイオンは31得点を挙げただけでなく、6アシストを記録。彼のパスの恩恵を最も受けたのはベンチから出たジョシュ・ハートで、3ポイントシュート6本成功を含む27得点を挙げている。

ザイオンは「良いポジションを取って待っているだけより、常に移動して良いポジションを取る方がマークするのは難しいよね。僕はそれで相手のディフェンスを引き付けて、空いたチームメートを見つけようとしている。プレーメークを楽しんでいるよ」と言う。

ザイオンはフィールドゴール16本中13本成功、ハートは16本中10本成功。チームとしてフィールドゴール成功率は61.5%で、3ポイントシュートも38本中19本と50%の大台に乗せた。ジャ・モラントは28得点を挙げたものの、これで点の取り合いで上回るのは難しい。

チームはまだまだオフェンス偏重で、それだけに好不調の波も大きい。ザイオンがモンスター級のパフォーマンスを見せていても、いまだ12勝15敗と負け越しており、西カンファレンスの11位とプレーオフ圏外に位置している。それでも、スタン・ヴァン・ガンディが指揮を執る1年目で、ザイオンを始め主力はまだ若い。今の時点では小さくまとまるよりも、爆発的なオフェンス力を前面に押し出してもいいのかもしれない。

「自分が何点取るかとか、何アシストするかとか、スタッツの目標は設定していないんだ。試合に勝つこと、そうしたら次の試合のことを考える。2年目を迎えて自分の成長を見せたいとは思うけど、いかにしてチームに勝利をもたらすかを考えているよ」と語るザイオンを軸にシーズンを戦う中で、攻守のバランスをいかに取り、チームとして成熟していけるか。ザイオンの、そしてペリカンズの成長ぶりに注目だ。