横浜ビー・コルセアーズ

横浜はインサイドの優位性を生かす

横浜ビー・コルセアーズvs広島ドラゴンフライズの第2戦。終盤にディフェンスの強度を上げた横浜が広島から連続ターンオーバーを奪い、逆転勝利を果たした。

広島はジャマリ・トレイラーとトーマス・ケネディがコンディション不良でこの試合を欠場する事態に。さらに、第1クォーターからグレゴリー・エチェニケ、荒尾岳、谷口大智のインサイド陣全員が2ファウルを犯してしまう。それでも、バックコート陣が速いパス回しでズレを作ると朝山正悟を中心に全員が3ポイントシュートを放ち、前半だけで6本を沈めた。

一方の横浜は外国籍選手を生かしてインサイドを起点に攻めるが、広島のチームディフェンスに苦戦。前半はパトリック・アウダが6点、ロバート・カーターが4点、レジナルド・ベクトンが3点と優位性を示すことができずに、追いかける展開が続く。

30-36と横浜のビハインドで迎えた後半。前半はポストプレーをダブルチームで封じられたカーターだが、後半では高い位置からのドライブを仕掛けることで得点が伸び始める。さらに、荒尾と谷口がそれぞれ3つ目のファウルを犯し、広島のインサイドの守りがよりソフトになったところを突くことで、第3クォーターだけで14得点を挙げる活躍を見せた。それでも横浜は大事な場面でのターンオーバーやセカンドチャンスを許してしまい、逆転することができない。

そして、最終クォーターのオフィシャルタイムアウトを3点ビハインドで迎えた横浜だったが、ここから反撃に出る。後半からリズムを取り戻したカーターを起点にオフェンスを展開し、ディフェンスもギアを一段上げる。ボールマンへのプレッシャーを強くすると、広島から3連続ターンオーバーを誘発して、残り2分で73-70と逆転に成功する。それでも、トレイラーとケネディがいないチーム状況を発奮材料に変えて戦う広島を前に、点差を広げることができず、残り1分44秒で1点差に詰められてしまう。

残り40秒、森井健太が広島のスイッチディフェンスによって生まれたスピードのミスマッチを突き、値千金の3ポイントシュートを沈め76-72。横浜はその後のファウルゲームのフリースローも沈めて、80-74で逆転勝利を収めた。

横浜ビー・コルセアーズ

堀田ヘッドコーチ「成長を感じることができました」

敗れた広島の堀田剛司ヘッドコーチはビッグマン2人がいない状態で、最後まで健闘した選手を称えた。「今日はエチェニケ選手しか外国籍がいませんでしたが、特に前半のディフェンスが素晴らしかったです。谷口選手も荒尾選手も外国籍選手とのマッチアップで身体を張って戦ってくれました。フォワード陣も私たちがやりたいディフェンスをしてくれて、前半を30点に抑えることができましたが、後半はカーター選手の個人能力の部分で得点を取られてしまいました」

今節は1勝1敗の痛み分けとなったが、17まで続いた連敗に終止符を打ち、日本人選手が奮闘して最後までチーム一丸で戦った姿勢は今後に繋がる。堀田ヘッドコーチは言う。「チームとしては良くなっていますし、成長を感じることができました。これを無駄にせずに次の島根とのホームゲームに向けてしっかりと準備して、連勝できるように頑張りたいです」

一方、この試合で連敗を4で止めた横浜のカイル・ミリングヘッドコーチは、「ここ最近は敗戦が続いていて、選手の自信もついていませんでした。しかし、今日は1試合を通して戦い続け、悪いターンオーバーだったりと課題も見つかりましたが、勝ったことには変わりないので、自信をつけ直して次節に向けて練習に励みたいです」と総括した。