秋田ノーザンハピネッツ

立ち上がりからブリッツを仕掛け、川崎にオフェンスを組み立てさせない

秋田ノーザンハピネッツvs川崎ブレイブサンダースの第2戦。攻めのディフェンスで主導権を握った秋田が96-81で勝利した。

秋田は序盤から川崎のピック&ロールに対して、ブリッツで強烈なプレッシャーを掛けて形を作らせない。ボールマンにだけでなく、オフボールでも全員がプレッシャーを与えることで、前半だけで川崎から19ターンオーバーを誘発し、そこから33得点を挙げた。また、ファストブレイクポイントでも20-1と秋田が圧倒して、積極的な守備で主導権を握った。

オフェンスでも人とボールがしっかり動いてスペースを作り、自分たちのリズムでシュートを放っていく。また、途中出場の細谷将司がボールプッシュして速いバスケットを展開。自ら積極的にリングにアタックするだけでなく、スピードや高さのミスマッチを突いた冷静なゲームメークを見せ、川崎のディフェンスをかいくぐりバランスの良いオフェンスを遂行した。

一方の川崎は、パスミスやオフェンスファウルが相次ぎリズムをつかむことができず、ビハインドで前半のオフィシャルタイムアウトを迎えた。

タイムアウト明け、川崎は前日の試合で功を奏したニック・ファジーカスと外国籍2人のビッグラインナップによるゾーンディフェンスを敷くが、この試合では秋田のボール回しとスピードでのミスマッチに翻弄され、相手のリズムで外角シュートを打たせてしまう。その結果、第1戦の前半では1本のみに抑えた3ポイントシュートも、この試合では前半だけで6本も許して完全に攻略されてしまった。

50-33と秋田がリードして迎えた後半。秋田は引き続き攻めのディフェンスを遂行し、オフェンスでも外と中からバランス良く得点を重ねていく。川崎のチェンジングディフェンスに対しても、全員が積極的にアタックして、リバウンドもチームで取りに行くことで得点へ繋げる。また、ハーフコートオフェンスが上手くいかなくても、ハードなディフェンスからのトランジションで得点を重ね、リードを広げていった。

こうして、最後まで堅守速攻を貫いた秋田が96-81で勝利。秋田はこの試合で3ポイントシュート28本中13本成功し、川崎のターンオーバーからも37得点を奪い、ファストブレイクポイントでも24-5と圧倒した。

川崎ブレイブサンダース

佐藤賢次ヘッドコーチ「自分たちから崩れてしまった」

敗れた川崎の佐藤賢次ヘッドコーチは、「出だしから相手のプレッシャーディフェンスに押されて難しい試合になりました」と振り返る。「前半のターンオーバーが19、そこからの失点が33、ファストブレイク20点ということで、この数字だとなかなか押し返すのは難しい。プレッシャーに対して準備はしてきたつもりですが、なかなか上手くいかなかったので、選手一人ひとり、チームとしても戦術に問題があったと思います。後半はターンオーバーを4に抑えましたが、前半がすべてでした」

前日の試合でも序盤は秋田にリードを許したが、川崎が修正力の高さを発揮して勝利した。しかし、この試合では攻守に渡って様々なフォーメーションを仕掛けても機能せず。佐藤ヘッドコーチは、「修正しきれなかったというよりは、自分たちから崩れてしまった」と言う。「ボールを失って、ポゼッションを相手に与えてしまいました。もともとポゼッションを与えてはいけない相手だと思っていたんですけど、そこで自滅して流れを作れなかった。ビッグラインナップを仕掛けた時も相手に上手く対応されてしまったので、そこは今後の課題として見ていきたいです」

一方、勝利した秋田の前田顕蔵ヘッドコーチは、「自分たちのスタイルで勝ち切れたことは非常に良かったと思いますし、クラブにとっても川崎さんには今まで勝ったことがなかったので、そういう意味でも非常に大きな1勝だったのかなと思っています」と喜んだ。