写真=Getty Images

現役最後のロード戦を終えたコービー、残すはあと1試合。

早いもので、2015-16シーズンのNBAレギュラーシーズンも4月13日に全日程が終了する。数日後には、優勝をかけたサバイバルレース、プレーオフが開幕する。『マラソンレース』とたとえられるほど長く険しい82試合という日程終了を目前に控え、一抹の寂しさを覚えるファンも少なくないだろう。

間もなく20年の現役生活を終えるコービー・ブライアントは、充足感に満たされた日々を送っている。現役引退を発表した昨年11月から始まった『お別れツアー』もいよいよファイナル。4月11日にチェサピーク・エナジー・アリーナで行なわれた現役最後のロードゲーム、対戦相手となったサンダーは、コートを去るレジェンドを最高の形でもてなした。

サンダーから記念品が贈られるということで、ブライアントが通された部屋には『Thanks to One & Only 24』(唯一無二の存在である24番に感謝)とプリントされた巨大な写真パネルが設置され、壁にかけられたブライアントの写真もメッセージプリント付き。

パネルの前にはコービーが座ると思われる椅子が置かれ、対面には2つの椅子が用意されている。これはサンダーの2大エース、ケビン・デュラントとラッセル・ウェストブルックの席だ。

私服姿のブライアントの前に現れた2人は、記念のフォトブックをレジェンドにプレゼント。受け取ったブライアントは2人とハグを交わし、和やかな表情で会話を楽しんだ。この記念フォトブックには、サンダー全選手の寄せ書きメッセージが入っているという。こちらもOne & Only(1点もの)だ。

選手紹介の際も大歓声でサンダーファンから迎えられたブライアントは、19分の出場で13得点を記録。第3クォーター残り5分3秒にベンチに下がり、その後は試合の行方を見守った。スタンドのファンはブライアントの出場を求めたものの、ヘッドコーチのバイロン・スコットは、現役最後の試合に備えて無理はさせなかった。

ウェストブルックは、試合前のコービーとの時間が刺激になったのか、前半のわずか出場18分間で11得点10リバウンド10アシストの大暴れで、今シーズン18度目のトリプル・ダブルを達成(トータルでは13得点10リバウンド14アシスト)。試合後ブライアントは、以前「現役選手の中で自分に最も似ている選手」として名前を挙げたラスのパフォーマンスについて、こう語っている。

「彼と同じだけ1シーズンでトリプル・ダブルを達成する選手は見たことがない。本当にすごいこと。ステフ(カリー)やゴールデンステイト(ウォリアーズ)の陰に隠れているようにも見えるけれど、彼も歴史に残るシーズンを送っている。おそらくは、僕が対戦した中で最も身体能力に優れた選手だね」

試合後レイカーズは早々にチャーター機でロサンゼルスに移動。中1日で行なわれるシーズン最終戦に向け、準備を整える。

引退発表の時には「まだ半年はコービーのプレーが見られる」と思っていたが、気付けば残るはラストマッチのみ。現地13日、NBA史の1ページ、あるいは10ページ分に相当する功績を残したレジェンドのプレーを心に焼き付けたい。