ジュリアス・ランドル

練習環境を整えるためトレーナーが住むダラスに家を購入

予想に反して勝率5割以上をキープしているニックスにおいて、ジュリアス・ランドルが絶好調を維持している。シーズン開幕から8試合を終えて平均23.1得点、12.0リバウンド、7.4アシストはいずれもキャリアハイで、オールスタークラスの活躍ぶりだ。

ランドルのトレーナーを10年以上続けているタイラー・レルフによれば、彼を突き動かしているのは『怒り』だ。発端は、新型コロナウイルスの感染拡大によりシーズンが中断され、昨年7月末にオーランドの『バブル』でのリーグ再開にニックスが除外されたことだった。

ニックスも含めて8チームがそれに該当するが、ランドルは『バブル』でプレーする22チームを怒りを感じながら見ていたという。

シーズン中断期間中のランドルは、地元ダラスに戻ってレルフとトレーニングを続けていた。3月のシーズン中断から1試合もプレーすることなく昨シーズンを終えることが決まると、ランドルはすぐにでもワークアウトを始めたいとレルフに連絡を入れた。新型コロナウイルスの影響でチームの練習施設が使えない状況で、レルフはまず「どこで練習するのか」を心配したが、ランドルからは「僕がダラスに家を買うから、そっちで練習しよう」と言われたという。

レルフは『New York Post』に「ジュリアスとは長い付き合いなので、冗談でないことはすぐに分かった」と話している。

2人の練習は朝6時から始まり、フットワークやシュート練習を90分間ノンストップで行った。また彼は、高校の練習場にも出向き、連日1200本のシュートを打ち続けた。こうした練習を長いオフの間ずっと続けていたのだから、今のパフォーマンスも納得がいく。

特定の主力にプレータイムが偏るトム・シボドーの下、ランドルは1試合平均38分を超えるプレータイムを与えられ、その信頼に応える活躍を見せている。まだまだ先が長いシーズン、ニックスがこの好調をキープできるかどうかはランドルーの働きにかかっているが、9カ月も実戦から遠ざかっていた彼の『怒り』はまだまだ発散されていないはずだ。