カイル・ラウリー

バンブリート「この状況は大変だけど、まだまだ先は長い」

昨シーズンは東カンファレンス2位でプレーオフに進出したラプターズは、今シーズンは開幕から6試合を終えて1勝5敗、東カンファレンスで14位に位置し、重いスタートとなっている。

ラプターズはオフシーズンに、2019年NBA優勝メンバーのフロントコート陣であるマルク・ガソルとサージ・イバカを失った。2人は得点面だけでなく守備面での貢献度も高かったが、アロン・ベインズ、クリス・バウチャー、アレックス・レンのビッグマントリオはガソルやイバカのようなプレーができていない。

また、2020年には自身初となるオールスターゲーム出場を果たし、オールNBAチームにも選出され、今シーズンはさらなる成長を期待されたパスカル・シアカムも、昨シーズンは平均22.9得点だったのに対し、今シーズンは平均17.6得点と波に乗れていない。フィールドゴール成功率もキャリアワーストの40.7%を記録するなど、フロントコート陣の不調がスロースタートの要因の一つだ。

在籍9シーズン目を迎えたラプターズの指令塔、カイル・ラウリーは、この状況に対して、チームとして精神面を整える必要があると考えている。「僕たちはもう少しだけ勇気を持たなければいけない。もっとタフに、もっと意地悪に、そしてもっと堂々とプレーしなければいけない」と語ると、こう続けた。「今の僕たちは何も持っていないし、何もない。他のチームが僕たちを『よし、食ってかかろう』という感じで見ている。良い気分ではないね」

最近では常に東カンファレンスの上位に食い込んでいるラプターズにとって、シーズン序盤と言えど、カンファレンスの下位に位置していることは違和感があるのだろう。このオフにラプターズと4年8500万ドル(約88億円)で再契約を結んだフレッド・バンブリートは、「この状況は僕たちにとって未知の領域だよ。僕自身のことで言えば、こんな経験はしたことがない。でも、僕たちは下を向くわけにはいかないし、誰も僕らに同情なんてしていない」と、114-126で敗れたセルティックス戦後に語った。

チームは苦しい状況が続いているが、バンブリートは6試合を経て、平均21.8得点、5.5リバウンド、5.5アシスト、1.5スティールを記録。セルティックス戦では、3ポイントシュート9本中6本成功を含む、チームハイの35得点を挙げ、「それが僕の仕事だし、今まで以上に良い仕事をしなければいけない」と言う。

「僕はリードし続けて、みんなを助けるための新しい方法を見つけなければいけない。僕自身もより良いプレーをして、個人的にもチームとしても、この状況を打破する方法を探し続けなければいけないんだ。今は批判されても仕方がないし、僕がしていることは明らかに十分ではない。勝ち負けが問題であって、今は勝てていないんだから」

こう語るバンブリートだが、「この状況は大変だけど、まだまだ先は長い」と前を向く。「目の前にはたくさんの試合があって、ウチには才能がある選手がたくさんいる。だから前向きに自分たちを信じて、乗り越える方法を見つけるよ」

https://www.youtube.com/watch?v=Xvgu2_58ncc